ピスタチオは、堅い殻に包まれた淡い緑色の実が特徴のナッツ。味わい深い香りと噛み応えがあり、おつまみにも最高ですよね。最近は特徴的な緑色が「ピスタチオカラー」として話題になり、老若男女問わず人気のナッツとなっていますね。
そんなピスタチオは、ただ美味しいだけではなく豊富な栄養素を含んでいるのもポイントでしょう。小さなナッツに多くの栄養が詰まっていることから「ナッツの女王」とも呼ばれ、健康や美容への効果も注目されているのです。
今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、ピスタチオの健康効果についてご紹介していきます!
そもそもピスタチオとは?
ピスタチオとは、中央アジアから西アジアにあるイランを原産とするウルシ科カイノキ属の落葉亜高木の植物です。その実は熟すとキレイな黄紅色になり、完熟すると自然と殻が割れて手摘みで収穫されます。陽差しが強く乾燥している砂漠地帯でよく育ち、現在は主にイランとアメリカで多く生産されています。
小さな実にたっぷりの栄養素がつまっていることから「ナッツの女王」ともいわれ、ナッツの中でも人気の種類となっています。
ピスタチオの栄養について
それでは「ナッツの女王」ピスタチオに含まれる栄養とはどのようなものでしょうか?栄養成分表で確認してみましょう。
ピスタチオの栄養成分表
可食部100gあたり | ピスタチオ | 他の食材100g(ml)との比較 |
カロリー(kcal) | 615 | アーモンドと同程度 |
タンパク質(g) | 17.4 | くるみの約1.2倍 |
脂質(g) | 56.1 | くるみの約0.8倍 |
食物繊維(g) | 9.2 | ごぼうの約1.6倍 |
カリウム(mg) | 970 | ほうれんそうの約1.4倍 |
カルシウム(mg) | 120 | 牛乳と同程度 |
鉄(mg) | 3.0 | プルーンの約3倍 |
亜鉛(mg) | 2.5 | わかめの約2.7倍 |
βカロテン(μg) | 120 | ナッツの中でダントツ! |
レチノール活性当量(μg) | 10 | ナッツの中でダントツ! |
ビタミンB2(mg) | 0.24 | パプリカの約2倍 |
【参考】日本食品標準成分表2015年版(七訂)-厚生労働省
※レチノール活性当量はビタミンAのこと
ピスタチオ特有の栄養素は?
ナッツ全般に含まれる栄養成分である不飽和脂肪酸や食物繊維、ビタミンやミネラルが多く含まれるのはもちろんですが、中でも特にピスタチオに特有の栄養素がいくつかあるので紹介しておきましょう。
●βカロテン
‥‥カロテノイドという色素の1種。抗酸化作用を持ち、活性酸素を取り除く。
●ゼアキサンチン/ルテイン
‥‥カロテノイドの1種。抗酸化作用で、ブルーライトなどの有害な光を吸収して眼を守る。
●カリウム
‥‥ミネラルの1種で、身体の水分量を調整する。アーモンドなどにも含まれるが、ピスタチオがナッツの中で1番多い。
ピスタチオの嬉しい健康効果
腸内環境の改善
ピスタチオには、腸内環境をよくする食物繊維が豊富に含まれます。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類がありますが、どちらも腸内の善玉菌を増やし腸内環境を改善する働きがあります。
腸内環境が改善されると、腸の運動が活発になり、食中毒菌や病原菌による感染の予防にも効果があります。また善玉菌は腸内でビタミンを作る働きもあり、体の免疫力を高め血清コレステロールを低下させる効果もあるとされています。腸内環境の改善は、お通じだけでなく身体全体の健康維持に重要なのです。
血圧を下げる
ピスタチオに多いカリウムは、身体の水分量を調整する働きがあります。ナトリウムを排出する作用もあるため、塩分の摂り過ぎを調節する上でも重要です。塩分を摂り過ぎると高血圧を引き起こします。カリウムを多く含むピスタチオの降圧作用は、ナッツの中でもNo.1と言えるでしょう。
貧血の予防に!
ピスタチオには、鉄・銅・亜鉛といったミネラルも多く含みます。鉄や銅は、血液の重要成分である赤血球を作る働きがあり、貧血の予防に効果があるとされます。
貧血になると酸素を運搬する能力が低下するので、疲れやすくなったり、頭痛・息切れが起こったり、運動機能の低下する恐れがあります。健康的な生活のためにも、貧血の予防は重要です。
【参考】ミネラル成分の銅の働きと1日の摂取量 -公益財団法人長寿科学振興財団
ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量 -公益財団法人長寿科学振興財団
ガンや生活習慣病の予防
ピスタチオに含まれる不飽和脂肪酸には、オレイン酸とリノール酸があります。これらは血中のコレステロール生成を抑える効果があります。またパントテン酸というビタミンも、善玉コレステロールを増やし悪玉コレステロールを減らすので、動脈硬化の予防につながります。
動脈硬化は、生活習慣病をはじめ、心疾患や脳血管疾患などの病気のリスクとなりますので、コレステロールを下げることは、健康への第一歩と言えるのです。
また、食物繊維と適度な脂質で便通がよくなることで、身体の毒素や発がん物質も一緒に排出できますので、ガンのリスクも減らすことができます。
【参考】脂肪酸のはたらき-日本植物油協会
パントテン酸の効果 -わかさの秘密
動脈硬化の危険因子と動脈硬化による疾患 -生活習慣病オンライン
目の健康を守る!
ピスタチオに含まれるルテインとゼアキサンチンは、ブルーライトなどの有害な光を吸収して眼を守る働きがあり、眼病を予防する効果があります。スマホやPCが普及した現代では、ブルーライトなどによる眼への影響をどうしても受けやすいので、現代人が摂るべき栄養成分と言えるでしょう。
また、βカロテンをはじめとするビタミンAも豊富ですが、ビタミンAには目や皮膚の粘膜を健康に保ち抵抗力を高める働きや、薄暗いところで視力を保つ働きがあります。ビタミンAも、目の健康に重要な成分なのです。
【参考】ルテインとは -わかさ生活 医療機関サプリメント情報サイト
ビタミンAの働きと1日の摂取量 -公益財団法人長寿科学振興財団
疲労回復にも◎
ピスタチオには、ビタミンB群も含まれています。ビタミンB1は糖質の代謝を助ける働きがあります。代謝とは、栄養素を燃やしてエネルギーを作ることです。エネルギーを作りやすくすることで、疲労回復の効果が期待できます。
またビタミンB6は代謝に関わるほか、免疫機能の働きを維持する役割もありますので、疲れた時にも風邪を引きにくい身体作りに役立ちます。皮膚の抵抗力も上げるので、皮膚炎などの予防にも役立ちます。
ストレスから身体を守る
ピスタチオには、「抗ストレスビタミン」とも言われるパントテン酸というビタミンも含んでいます。ストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの生成を促進させて、ストレスへの抵抗力を上げるのです。
美肌効果も!
ビタミンB2を含むピスタチオには、皮膚や粘膜を正常に維持する美肌効果もあります。ビタミンB2は、発育促進に重要な役割を果たすほか、皮膚、髪、爪などの細胞の再生にも関関わります。そのため「美容ビタミン」とも言われており、肌荒れを治したり予防する働きがあるため、美肌への効果があるのです。
【参考】ビタミンB2の働きと1日の摂取量 -公益財団法人長寿科学振興財団
このように、ピスタチオには健康だけでなく、美肌やダイエットなどの美容にも効果があります。その他の美容効果については、以下の記事も参考にしてみてください↓↓
≪ピスタチオは美容パワーたっぷり!女性に嬉しい効果でキレイと健康をゲットしよう!≫
健康効果を発揮するピスタチオの食べ方
適切な摂取量は?
ナッツは健康によい食材ですが、カロリーはやや高め(100gで615kcal)なので食べ過ぎには注意が必要です。ピスタチオの摂取量としては、1日に40~45粒前後=25g程度が適量でありおすすめです。ピスタチオ25gのカロリーは約154kcalなので、おやつとしては適正な量と言えるでしょう。
食べるタイミング
ナッツは健康効果を高めるには、食べるタイミングも重要です。特に夜寝る前に食べたものは、エネルギーとして代謝されにくいため、太りやすくコレステロールも貯めやすくなってしまいます。また睡眠の質も下がるので避けたほうがよいでしょう。
ピスタチオを摂取するおすすめのタイミングは、食前または食事中です。食べるタイミングについては、同様の成分を含むナッツであるアーモンドを使った研究が多くされており、食前に食べることでコレステロール値が減ったという研究や、食事に合わせて食べることで食後の血糖値の上昇が抑えられたという結果が出ています。
【参考】アーモンドの効果、食べるタイミングによって異なることが明らかに -@Press
実証 アーモンドの食後血糖値上昇抑制効果 -グリコ健康科学研究所
おすすめのピスタチオ
ここで、小島屋おすすめのピスタチオを紹介しておきましょう。
日本で手に入るピスタチオのほとんどは、アメリカ産です。しかし小島屋では、ピスタチオの本場であるイラン産を主に扱っています。アメリカ産よりも甘く、深いコクを楽しめますよ。さらにコクと旨味をさらに引き出すため、強めのローストを加えているのも特徴です。カリッとやみつきになる仕上がりとなっています。
ちなみに、日本ではほとんど出回っていないギリシャ産も扱っています。コクはしっかりありますが、軽やかでまろやかな味わいとなっているので、ぜひ食べ比べてみてください!
ピスタチオは健康のため食べるべきナッツ!
今回は、ピスタチオの健康効果について紹介してみました。美肌や美容だけでなく、身体にも良いことがたくさんのピスタチオを生活に取り入れて、健康な身体を維持しましょう!
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ピスタチオも食べ過ぎには注意が必要です
ピスタチオは栄養素が豊富で、食物繊維や不飽和脂肪酸を含む健康的なナッツですが、カロリーや脂質が高いため適量を心掛ける必要があります。過剰な摂取は腎臓に負担がかかってしまう危険性や高カリウム血症を引き起こす可能性があります。1日の目安量を守ることが重要です。
よくある質問
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ピスタチオの1日の摂取量は?
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ピスタチオの摂取量については、1日に40~45粒前後=25g程度がおすすめです。 ピスタチオの可食部(殻を除いた部分)100gのカロリーは615kcalと高カロリーなので、食べ過ぎには注意が必要です。 25gでは約154kcalとなるのでおやつとしては適正な量と言えるでしょう。
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>>ピスタチオの人気ランキングはこちら -
ピスタチオを食べ過ぎるとどうなる?
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ピスタチオは豊富な不溶性食物繊維を含みます。不溶性の食物繊維は、腸を刺激して便通を促してくれる効果があります。反面、不溶性食物繊維消化に時間がかかる為、食べ過ぎると腹痛や下痢の原因になったり、逆に便秘を悪化させてしまうことがあるので、食べ過ぎないようにしましょう。
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>>素焼きで人気のピスタチオはこちら -
ピスタチオのデメリットは?
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ピスタチオのデメリットに、食べ過ぎによる不調があります。ピスタチオは豊富な不溶性食物繊維を含みます。不溶性の食物繊維は、腸を刺激して便通を促してくれる効果があります。反面、不溶性食物繊維消化に時間がかかる為、食べ過ぎると腹痛や下痢の原因になったり、逆に便秘を悪化させてしまうことがあるので、食べ過ぎないようにしましょう。
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ピスタチオを毎日食べると体にいいですか?
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ピスタチオには、腸内環境の改善、血圧を下げる、貧血予防、目の健康を守る、疲労回復、ストレスから身体を守る、美肌効果、ガンや生活習慣病の予防などの健康効果が期待できます。毎日少しずつ取り入れることで、ピスタチオの体に嬉しい効果を得ることができるでしょう。