独特な食感と風味がやみつきになるくるみ。お菓子やパンによく利用されているので、食べたことがあるという人も多いと思います。実はくるみは、栄養が豊富で健康に効果が高い食材として、注目を集めているナッツなのです。
栄養がたっぷりであるため、くるみの効能もたくさん。その効果は健康・美容・ダイエットなど多岐にわたります。今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、そんなくるみが持つ効果効能について、詳しく解説していきましょう!
くるみの効能はスーパーフードとしてもピカイチです
くるみにはオメガ3脂肪酸やポリフェノールが豊富で、健康な心臓対策やコレステロール改善に効果的です。また、抗酸化物質やビタミンEが美容とアンチエイジングに寄与し、1日の適量摂取が健康維持におすすめされています。
そもそもくるみってどんなナッツ?
くるみの特徴
くるみとは、クルミ科の種実類で、ピーカンナッツなどと同じ仲間です。ごつごつした堅い殻に覆われており、専用の殻割機でないと剥けません。写真のように木に実り、1本の木から何千個ものくるみがとれます。噛みしめると少し苦味や渋みを感じるのも特徴です。
くるみの原産
くるみの原産は古代ペルシャといわれており、今のイランにあたります。紀元前7000年から食用にされ、最も古くから食べられているナッツと言えるでしょう。今はアメリカ・カリフォルニアの広大な土地で栽培されており、世界中に輸出されています。
くるみに含まれる栄養素とは?
くるみは、オメガ3脂肪酸という脂肪酸を含んでいるのが大きな特徴ですが、他にも健康に重要な栄養成分がたくさんあります。ここでは特筆すべき栄養成分についてご紹介しておきます。
(※オメガ3脂肪酸についてやくるみの詳しい栄養素については、以下の記事もご参考にしてみてください!↓↓)
≪くるみに含まれる栄養素を一挙紹介!健康・美容に効果のオメガ3脂肪酸など注目成分がたっぷり!≫
くるみといえば!『オメガ3脂肪酸』
オメガ3脂肪酸とは、n-3系脂肪酸とも言われ、α-リノレン酸・EPA・DHAといった脂肪酸のことを指します。EPA・DHAは青魚に含まれる脂肪酸として知られていますが、くるみに多く含まれるのはα-リノレン酸です。
オメガ3脂肪酸は、様々な健康効果があるとしてメディアでも話題となっています。実際に、生活習慣病や認知症の予防に関する研究も多くあり、効果が認められています。
具体的な働きとしては、コレステロール値を下げて血流を改善したり、アレルギーを抑える抗炎症作用もあります。ナッツの中ではくるみに最も多く含まれている脂肪酸です。
赤ワインより豊富!『ポリフェノール』
ポリフェノールは植物に含まれる苦味や色素を指し、強い抗酸化作用が特徴の栄養成分。くるみには、ナッツの中で最多のポリフェノールが含まれ、ひと掴みのくるみに含まれるポリフェノール量はワイン1杯の含有量を上回るほどです。さらにローストするとポリフェノール量が増えるという研究結果もあります。
抗酸化作用とは、老化の原因の1つである活性酸素の働きを抑える作用のことです。細胞や体内の脂質が酸化すると、代謝が悪くなったり様々な病気の原因となる物質ができてしまうので、抗酸化作用は、健康維持に注目の成分なのです。
アミノ酸の1種『トリプトファン』
トリプトファンとは、体内で合成できない必須アミノ酸の1種です。トリプトファンは、幸せホルモンともいわれる「セロトニン」の原料となる重要なアミノ酸として知られています。
セロトニンとは、アドレナリンと同じような脳内の神経伝達物質の1つで、神経伝達をコントロールすることで精神状態を安定させる働きを担っています。そのため、イライラしたときや不眠症に効果を発揮するとされています。
豊富な『ビタミン類』
くるみには多くのビタミン類が含まれますが、中でもビタミンE・葉酸・ビタミンB6が特に豊富です。簡単ですがそれぞれの効果や働きを解説しておきます。
●ビタミンE:抗酸化作用が強く、細胞の酸化を防ぐ。
●葉酸 :赤血球を作る働きがある。特に妊婦は積極的な摂取が推奨されている。
●ビタミンB6:免疫機能に関わり、抵抗力を上げる働きがある。
豊富な『ミネラル類』
ミネラルとは、無機質とも呼ばれ、細胞や組織の様々な反応をスムーズにするために必要なものです。くるみに含まれる代表的なミネラルには、銅・マンガン・マグネシウムなどがあります。それぞれ簡単に説明しておきましょう。
●銅:ヘモグロビンの合成や免疫機能に関わる。
●マンガン:骨の発育や皮膚代謝に関わる。
●マグネシウム:身体の酵素を活性化させ、エネルギー代謝など様々な機能に関わる。
くるみの驚くべき健康&美容効果
それでは、具体的なくるみの効果効能について見ていきます。病気の予防など健康に関する効果はもちろん、美容やダイエットなど様々な効能があり、男性女性問わずおすすめです。ここでは大きく7つに分けて効果を解説していきましょう。
効果①生活習慣病の予防
生活習慣病とは、ガン・心疾患・脳卒中・糖尿病といった生活習慣に関する病気の総称です。これらの病気の予防に最も効果を発揮するのは、くるみの特徴的な栄養素である「オメガ3脂肪酸」です。
オメガ3脂肪酸は悪玉コレステロール値を低下させ、善玉コレステロール値を維持または上昇させます。悪玉コレステロールが増えると血液がドロドロになって心疾患や脳卒中の原因となりますし、血液の流れが悪いと高血圧にもなりやすいので、生活習慣病の予防のためには重要な働きです。
さらに、くるみはビタミンEやポリフェノールの抗酸化作用や食物繊維も豊富なので、ガン発症や糖尿病の予防にも効果があることが研究で明らかになっています。
【参考】くるみに抗がん作用の可能性があることが研究で判明 -カリフォルニアくるみ協会
くるみの摂取が2型糖尿病リスクの低減に関係 -カリフォルニアくるみ協会
効果②ダイエット効果
ダイエットに重要なのはやはりカロリー管理ですが、その際の大敵となるのが空腹感でしょう。くるみに含まれる良質な脂肪分と食物繊維・タンパク質は、満腹感を得やすいとされており、ダイエット中のおやつにぴったりなのです。
さらに代謝を促すビタミンが豊富なので、カロリーをエネルギーに変換しやすくしてくれる効果もあります。代謝が上がるので痩せやすい身体に近づくことができるでしょう。
また、くるみのようなナッツ類はよく噛むことで満腹中枢も刺激されやすいですので、これもダイエットに効果のある理由です。食べ過ぎや肥満は、糖尿病などのリスクも上げてしまうため、くるみは健康維持にも美容・ダイエットにも効果的な食材であると言えますね。
効果③腸活効果
腸の中には無数の腸内細菌が住みついており、私たちの身体を守ってくれています。そんな腸内環境を整えることを腸活と言いますが、これは健康・美容・ダイエットに効果があるとして話題になっているワードです。
くるみを少しずつ食べ続けると、腸の善玉菌が増えて悪玉菌が減るということがわかっています。善玉菌を増やすことで、太りにくい身体を作ったり様々な病気を予防することができますし、便秘も防ぐので老廃物が溜まらず、肌トラブルからも開放されるでしょう。
効果④心の安寧を保つ効果
くるみに豊富なトリプトファンは、セロトニンの原料となりますが、そもそもこのセロトニンとは、神経伝達物質といわれ、様々な神経同士の情報をコントロールします。そのため睡眠や感情、摂食行動などに関わる物質なのです。
セロトニンが不足すると、脳は覚醒状態に陥り不安が増します。実際、うつ病の薬にセロトニンが使われており、情緒の安定につながるとされてます。眠れない時やイライラしたときには、くるみがおすすめと言えるでしょう。
【参考】セロトニン神経系 -脳科学辞典
効果⑤美肌・美髪効果でアンチエイジング
くるみは、ポリフェノールやビタミンE、不飽和脂肪酸といった抗酸化作用を持つ栄養成分が豊富です。抗酸化作用は様々な病気を予防するだけでなく、細胞の酸化を抑えるので老化予防にも注目されています。
例えば、紫外線による活性酸素を抑えてお肌を守ったり、シワやシミを予防したり、毛母細胞の働きを促進して、健康な髪を作るなどの、女性に嬉しい美容・美髪効果が期待されているのです。
エイジングケアにより、病気を予防する身体の若返りと、美容面での若返りも期待できます。抗酸化値がナッツの中で最も高いくるみは、アンチエイジングにおすすめの食材なのです。また、オメガ3脂肪酸は、皮膚の健康にも関わり、ハリのある美肌にも役立ちます。
効果⑥認知機能の改善
くるみに含まれるオメガ3脂肪酸には、認知機能に関わることが指摘されています。オメガ3脂肪酸は、脳の情報伝達に関わる細胞の膜に含まれ、神経の伝達に重要な働きをしています。そのため脳の発達に必要な栄養を供給し、認識機能をサポートするのです。
人間はどうしても、加齢によって認知機能が低下するものです。くるみを食べることで、少しでも認知機能の改善ができれば嬉しいですよね。最近は、くるみがアルツハイマー病のリスクを下げることを示唆する研究もされています。
効果⑦筋肉強化・疲労回復にも
くるみは、ビタミンやミネラルが豊富なため、運動で消費したエネルギーを素早く補給します。また、筋肉の原材料であるタンパク質も含まれているので、筋肉の強化にもおすすめです。
また、血流をよくする効果のあるビタミンEや抗酸化作用のある栄養素も多く含むため、細胞の新陳代謝を上げ、消耗した筋肉や細胞の回復にも効果があると考えられます。疲労回復への効果も期待できるため、運動をよくする方々にもおすすめです。
くるみの効果を最大化する食べ方のポイント
くるみの効果効能を最大限に発揮するには、ただやみくもに摂取するだけではいけません。ここからは食べる時の注意点や選び方について解説していきましょう。
選び方とおすすめのくるみ
メジャーなナッツであるくるみは、スーパーなどでも手軽に手に入りますが、おつまみ用のものは塩分がたくさん含まれていることが多いです。健康や美容のために摂取するのであれば余分な油や塩分を使用していないタイプがおすすめでしょう。
ここで小島屋の商品の紹介です。小島屋では、ローフードの方にもおすすめの生くるみや殻付きのもの、味付けしたものなど豊富な種類のくるみを取り扱っていますが、中でも1番人気は無塩・無油・無添加の素焼きくるみです。
焙煎方法にもこだわっているので、味付けなしでも香りが高く、美味しく食べていただけます。また、ローストしたほうが抗酸化作用が高いとの報告もあるので、くるみの効果を最大限に引き出すためにも、素焼きくるみがおすすめと言えます。
食べる時の注意点
食べる時に注意すべきことは、食べる量とタイミングです。くるみは健康に良いとは言え、カロリーが高めの食材なので、食べ過ぎには注意が必要です。
1日の摂取量としては、ひと掴みくらいの7粒(=30g程度)がおすすめ。多くても10粒くらいにしておきましょう。これで約200kcal程度なので、おやつにちょうどよい量になりますよ。
また食べるタイミングは、寝る前を避ければいつでもよいでしょう。くるみは食物繊維が多く消化にやや時間がかかるので、寝る前に食べると睡眠の質が悪くなってしまうかもしれません。小腹がすいたときやおやつタイムにおすすめです。
おすすめの食べ方
そのまま食べるのが一番手軽で、くるみの美味しさを感じ取ることができます。このとき特に、緑茶と組み合わせるのがおすすめです。糖と脂肪の代謝をサポートする働きが高まるので、健康効果が得られやすいでしょう。
他にも、手軽な使い方としては、サラダに合わせるのもおすすめです。食事のおかずとして、くるみを摂取することができます。ナッツはリーフ類との相性もとても良いので、毎日でも食べられるほど美味しいですよ♪
くるみの効果で美しく健康になろう!
オメガ3脂肪酸が豊富だと話題になっているくるみ。その様々な効果効能についてご紹介してきました。普段の生活にくるみを取り入れて、いつまでも健康で美しく過ごしましょう!
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よくある質問
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くるみは生とロースト、どっちがいい?
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生のくるみは、しっとり柔らかい食感、そしてくるみの優しく渋みのあるコクとナッティー感じを楽しめます。(生くるみはこちら)
一方ローストしたくるみは、香ばしい香り、サクッっとした食感も軽やかで、風味を強く感じられるコクの強さがでます。(素焼きはこちら) -
くるみを毎日食べるとどうなる?
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くるみは脳の老化防止や認知機能の低下を防ぐ効果があると言われ、 ”ブレインフード” とも呼ばれています。
脳は身体全体のエネルギー消費量の20%を占めるとされ、最もエネルギー省利用の高い部位です。
くるみの脂質(オメガ3脂肪酸)やビタミンには脳の働きを活性化させる効果があると言われています。 -
くるみは1日何粒まで?
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くるみの1日の適切な摂取量は7-10粒(30g程度)と言われています。
目安としては手のひらに軽く一杯くらいの量です。 美容・健康やダイエットにお薦めの食品として注目されるくるみですが、脂質も多いので食べ過ぎには注意しましょう。 -
くるみは一日何個食べたらよいか?
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くるみはオメガ3脂肪酸など体に嬉しい栄養が豊富ですが、食べ過ぎによるカロリー過多にも注意が必要です。一日の適切なくるみ摂取量は7~10粒(30g程度)とされており、これで約200kcal弱。おやつにもぴったりな量になります。
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くるみを毎日食べるとどんな効果があるの?
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くるみには、オメガ3脂肪酸や、ポリフェノール、豊富なビタミン・ミネラル類をはじめ、体に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。毎日適量を摂取することで、生活習慣病の予防、ダイエット効果、腸活効果、心の安寧を保つ効果、美肌・美髪効果、認知機能の改善効果、筋肉強化・疲労回復といった効果が期待できます。
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くるみは女性にどんな効果があるの?
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くるみには、オメガ3脂肪酸や、ポリフェノール、豊富なビタミン・ミネラル類をはじめ、体に嬉しい栄養素が豊富に含まれており、女性に嬉しい効果がたくさんあります。特に、代謝アップによるダイエット効果、食物繊維による腸活効果、ポリフェノールによる美肌・美髪効果などが期待できるでしょう。
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くるみは認知症に効果がある?
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くるみに含まれるオメガ3脂肪酸には、認知機能に関わることが指摘されています。オメガ3脂肪酸は、脳の情報伝達に関わる細胞の膜に含まれ、神経の伝達に重要な働きをしています。そのため脳の発達に必要な栄養を供給し、認識機能をサポートするのです。最近は、くるみがアルツハイマー病のリスクを下げることを示唆する研究もされています。