栄養が豊富であり、アスリートやモデルなどからも人気を集めているナッツ。そんなナッツの栄養素は、美容や健康だけでなく「妊活」にも有効であることをご存知でしょうか?
妊活といえば不妊治療を思い浮かべられるかもしれませんが、実はそれだけではありません。妊娠についての知識を得たり、自身の状況を把握して生活習慣を整えることも含みます。そしてナッツは「天然のサプリ」とも言われ、体調管理にはぴったりの食材なのです。
今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、妊活に重要なナッツの栄養素や、妊婦さんがナッツを食べる時の注意点について解説していきます。
小島屋では、妊娠前後におすすめの無塩無油&完全無添加のナッツも各種ご用意しておりますので、こちらもチェックしてみてくださいね♪
妊活中は食事で体調を整えるべし!
妊活では、心身ともに健康的な生活を送ることが大切です。そこで重要となるのが食事。ナッツには、体調を整えるのに重要な栄養がたっぷり含まれています。
妊活に必要な体作りとは?
妊活においては、ストレスを溜めずに新陳代謝を高めていくことがとても重要になります。
具体的には
・ストレスを溜めない/発散する
・血行を促進する
・体の冷えを予防する
・規則的な食生活を意識する
などがポイントです。
栄養豊富なナッツがおすすめ!
新陳代謝を高めて、体の調子を整えるのに重要な成分をたっぷり含む食品の1つがナッツです。というのもナッツには、妊活に必要なミネラルやビタミンなどが豊富に含まれているのです。
妊活中は「これはダメ」「あれを食べてはダメ」と制約に縛られがちですが、何より重要なのは楽しみながら続けられること。ナッツは種類が豊富ですし、おやつにはもちろん、料理やスイーツにもアレンジできるので、きっと楽しみながら栄養サポートができるでしょう。
ナッツが妊活に効果的な理由
では具体的に、ナッツの栄養素は妊活にどんな効果を発揮するのでしょうか?またそれぞれの効果について、おすすめのナッツも紹介します。
①血流を良くして冷え対策に
「冷えは万病のもと」とはよく言いますが、妊活においても冷えは大敵です。実際に冷え症の人は月経不順に陥りやすいとされ、体が冷えて血行が滞ると、必要な酸素や栄養素・ホルモンが十分に体に行き渡らず、妊娠の妨げとなる場合があります。
血行を良くし体を温めるには、ビタミンEやオレイン酸などの不飽和脂肪酸が有効です。これらの栄養素は、血管を丈夫にし血流を良くする働きがあります。また強い抗酸化作用もあり、細胞の酸化を防ぐとともに代謝を促進するため、血行を良くすることにつながります。
ビタミンEやオレイン酸を多く含むナッツとしてはアーモンドが代表的です。
【参考】脂肪酸のはたらき -日本植物油協会
ビタミンEの働きと1日の摂取量 -健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団
②貧血対策に
妊娠は子宮内膜に受精卵が着床することで成立しますが、この子宮内膜の材料となるのが鉄分です。つまり鉄分不足では、貧血(全身に酸素を十分に運べない状態)になるだけでなく、しっかりした厚い子宮内膜を作ることができなくなります。
そのため妊活には、より十分な鉄分で貧血を予防し、受精卵が着床できるふかふかのベッドを作る準備をする必要があります。鉄分の多いナッツとしては、カシューナッツが代表的。その他アーモンドやマカダミアナッツもおすすめです。
③抗酸化作用で卵子の質を上げる
最近注目されている抗酸化作用。これは、紫外線やストレス、酸化した食品などの刺激によって増加する活性酸素の働きを抑える作用のことです。この時に刺激となる紫外線やストレスのことを「酸化ストレス」と言います。
酸化ストレスによる活性酸素によって、卵子の質が下がり受精しにくくなることが知られています。そのため抗酸化作用を持つ食品を摂取し、活性酸素を抑えることが重要なのです。
抗酸化作用が強い成分には、オレイン酸やポリフェノール、また抗酸化ビタミンとも呼ばれるビタミンA・E・Cなどがあります。オレイン酸・ビタミンEはアーモンド、ポリフェノールはくるみ、ビタミンAはピスタチオに豊富です。
④ストレス対策に
ストレスが溜まると、女性ホルモンの働きが乱れ月経不順になります。そうなると妊娠が成立しにくくなってしまうのです。そのため、ストレスを溜めずに生活することが重要となりますが、実際はなかなか難しいですよね。
ナッツに豊富に含まれるビタミンの1種にパントテン酸があります。パントテン酸は、ホルモンの合成に関わり、ストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの働きを促進させてくれます。そのため、ストレスへの抵抗力を高める効果があるとされているのです。
パントテン酸の摂取により、ストレスを溜めにくくできれば妊活にもつながります。パントテン酸はほとんどのナッツに含まれますが、特に豊富なのはピーナッツ・カシューナッツ・ひまわりの種・ピスタチオなどです。
⑤男性の不妊にも効果
妊活は、女性だけのものではありません。男性も不妊の原因となる場合があります。実際、不妊の4~5割は男性側が関与するとされており、男性も体調のコントロールが必要なのです。
男性不妊の原因に多いのは、精子の質・量の低下です。いくつかの研究では、抗酸化物質を摂取することで精子の運動能力や量・形態が良くなったという報告があります。また、くるみも精子の質に関わることが報告されています。さらに亜鉛も重要で、不足すると男性の性腺機能が低下するとされています。
男性にもおすすめのナッツとしては、くるみや、抗酸化作用を持つアーモンド・ピスタチオ・ブラジルナッツ、亜鉛が豊富なカシューナッツ・かぼちゃの種・ひまわりの種などが挙げられます。
【参考】新たな研究でくるみの摂取により精子の質が改善する可能性が示唆-カリフォルニアくるみ協会
男性の「精子の能力」を強くする、抗酸化物質の驚きのチカラ -現代ビジネス
亜鉛の働きと1日の摂取量 -健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団
妊娠前・妊娠中にもナッツが有効!
ナッツは妊娠前はもちろん、妊娠中にもおすすめです。ここで、妊娠各期で摂り入れるべき栄養素とともに、おすすめのナッツを紹介しておきます。
妊娠前~初期におすすめのナッツ
妊娠前から妊娠初期(~13週まで)のおすすめは、ひまわりの種とくるみです。
妊娠前~妊娠初期に最も重要なのは、葉酸。ひまわりの種とくるみは葉酸が豊富です。葉酸は、DNA合成や細胞の増殖に重要なミネラル。特に妊娠初期(妊娠2~5週)は胎児の神経管が発達する時期であり、この時期に葉酸が不足すると十分に神経が発達できず、神経管閉鎖障害という疾患になる恐れがあります。
そのため、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月程度は、この疾患の予防のためにも葉酸をしっかりと摂取することが推奨されています。そのため妊活スタートと同時に、葉酸を意識して摂取するのがよいでしょう。厚生労働省はサプリメントの併用も勧めています。
妊娠中期におすすめのナッツ
妊娠中期(14~27週)のおすすめは、アーモンドとカシューナッツです。
妊娠中期になると、赤ちゃんの臓器の働きが活発になります。血液を作り、骨格がしっかりしてくるこの時期には、特に鉄分とカルシウムが重要です。
妊娠中は血液量が増えるため、鉄分が薄まってただでさえ貧血になりやすいのですが、この時期からはさらに赤ちゃんに送るための鉄分が必要となるのです。また、赤ちゃんの骨を育てるために多くカルシウムが必要です。
鉄とカルシウムは、どうしても不足しがちな栄養素なので、積極的に摂取しましょう。鉄分はカシューナッツに豊富で、カルシウムはアーモンドに特に豊富に含まれています。
妊娠後期におすすめのナッツ
妊娠後期(28週~)のおすすめは、アーモンドとピスタチオです。
妊娠後期には、妊娠中期に引き続き鉄分やカルシウムをしっかり摂る必要があります。さらに、便秘・足がつる・むくみといったマイナートラブル(妊娠中の不快な症状)が増えてきますので、これらの症状を緩和させる栄養素を紹介します。
まず便秘は、ホルモンバランスにより胃腸の動きが制限されることで起こります。そこで重要なのが食物繊維。特に不溶性の食物繊維は、便のカサを増し腸の運動を刺激してくれます。ナッツは全般的に不溶性食物繊維が豊富で、特にアーモンドに多くおすすめです。
足がつる症状は、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル不足が関係しているとされます。これらのミネラルもナッツ全般に含まれますが、特にアーモンドに豊富です。
また、妊娠後期ではさらに体内の血液量が増え、さらに子宮が大きくなって足から心臓への血流が圧迫されるため、特に足がむくみやすくなります。そこで、カリウムは余分な水分を排出してくれるのでおすすめです。これはピスタチオに豊富に含まれます。
妊娠中にナッツを食べる時の注意点
ナッツを食べる時にはどのような注意点があるのでしょうか?今回は、妊娠中だからこそ注意すべき点について解説しておきましょう。
過剰摂取に注意すべき栄養素
どんな食べ物も食べ過ぎには注意が必要ですが、特に妊娠中には、過剰摂取に注意すべき栄養成分があります。その1つがビタミンAです。ナッツの中では、ピスタチオに含まれています。
ビタミンAは、視覚機能に関わったり、目の粘膜を保護する働きがありますが、特に妊娠前~妊娠初期(3か月)に摂取しすぎると、赤ちゃんに奇形が生じる恐れがあります。といっても、妊娠初期のビタミンA耐容上限量は2700μgRAE/日。ピスタチオは100gでも10μgRAEなので、特に気にされる必要はありません。うなぎやレバーを食べる時は注意しましょう。
1日の摂取量と食べ方
妊娠中は、体重管理も重要です。体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクとなり、赤ちゃんが発育しづらかったり難産になる可能性が高まります。ナッツは栄養がたっぷりですが、カロリーがやや高めなのも事実。そのため、摂取量に注意しましょう。
1日の摂取量の目安は、手のひらに軽く一杯=約25g程度です。これで大体100kcal前後になります。食べる時は量よりも頻度が重要で、「1度にたくさん」ではなく「少しずつを毎日」を目指しましょう。食べ方としては、そのままおつまみに食べるのはもちろん、サラダに散してみたり、料理に加えるのもおすすめです。
ちなみにナッツの1日の適量については、以下の記事もご参考にしてみてください↓↓
≪ナッツの1日の適量はどのくらい?おやつはナッツに決まり!適正量のナッツで美味しく健康に!≫
ナッツの選び方
ここまでお伝えしてきたように、ナッツにはそれぞれ得意分野があり効果が異なります。欲しい効能がはっきりしているならば1種類のナッツでもよいですが、総合的に栄養補給するなら数種類のナッツを組み合わせるのがおすすめです。
また体重管理の面では、油や塩を使わない素焼きタイプがおすすめです。ナッツといえばおつまみ用を想像されるかもしれませんが、これらは油や塩が多く、体重が過剰に増えたりむくみの原因になることもあります。今は健康に配慮した素焼きナッツも多く売られていますので、探してみてくださいね。
小島屋ではたくさんの種類のナッツを取り揃えています。素焼きナッツも豊富で、これらは完全無添加です。無塩無油はもちろんのこと、職人の手でこだわりのローストしているので、香ばしさやナッツの旨味を感じていただけますよ。
ナッツを食べて赤ちゃんを迎えよう
妊活中は不安や悩みも多くなりがちですが、まずは心身の健康が大切です。ナッツは豊富な栄養で体の調子を整えますし、なにより楽しく食べられるのでリフレッシュにもつながります。もちろん普段の生活でも美容や健康面で効果を発揮しますので、ぜひナッツで心身の健康を維持しましょう!
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よくある質問
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アーモンド 一日何粒 妊活?
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アーモンドの1日の摂取量の目安は、手のひらに軽く一杯=約25g程度です。これで大体150kcal前後になります。食べる時は量よりも頻度が重要で、「1度にたくさん」ではなく「少しずつを毎日」を目指しましょう。アーモンドの妊活効果としては、①血流を良くして冷え対策に、②貧血対策に、③抗酸化作用で卵子の質を上げる、④ストレス対策に、等があります。
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妊活中 何食べる?
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血行を良くし体を温めるには、アーモンドに豊富なビタミンEやオレイン酸が有効。また、妊娠のための子宮内膜をつくる鉄分摂取のためのカシューナッツもおすすめです。また酸化ストレスによる活性酸素によって卵子の質が下がらないよう、抗酸化作用をもつポリフェノールやビタミンA・E・Cを含むくるみやピスタチオも食べると良いでしょう。
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妊娠力を高める食べ物は?
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妊活には、体を温め貧血を予防し、卵子の質を高めておくことが重要。血行を良くし体を温めるには、アーモンドに豊富なビタミンEやオレイン酸が有効で、貧血予防のためには鉄分豊富なカシューナッツもおすすめです。また酸化ストレスによる活性酸素により卵子の質が下がらないよう、抗酸化作用をもつポリフェノールやビタミンA・E・Cを含むくるみやピスタチオも良いでしょう。