産後は赤ちゃんに会えた喜びを感じられる時期。ですが実際のところ、ほとんどのママは自分の疲れも取れないままに赤ちゃんのお世話をして、忙しい日々を送っているのではないでしょうか?このように、自分の食事や美容に多くの時間を割けないママは多いです。
しかしそんな産後の時期は、母体を妊娠前の元気な身体に戻しつつ、赤ちゃんに栄養を与える授乳期でもあり、多くの栄養が重要です。そこでおすすめなのがナッツ。おつまみのイメージがあるナッツですが、実は栄養たっぷりのスーパーフードで、妊娠前はもちろん産後にもおすすめの食材なのです!
(※妊活や妊娠中におすすめのナッツについては、以下の記事もご参考にどうぞ↓↓)
≪妊活には「ナッツ」を食べよう!食べるものを見直して授かり体質へ~妊娠前・妊娠中におすすめのナッツも紹介~≫
そこで今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、産後や授乳中におすすめのナッツについて解説していきます。
授乳中にナッツを食べてもいい?
授乳期は、出産という大仕事を終えたママの体を回復させながら、赤ちゃんの母乳を作る時期。そこでおすすめなのがナッツなのですが、おつまみのイメージが強いナッツを食べてもいいの?と疑問に思う人も多いでしょう。まずはこの疑問を解消します。
ナッツの栄養素
ナッツとは、もともと植物の種の部分にあたる種実類であり、これから植物として成長するための栄養素をたっぷり含んでいます。
(※ピーナッツなどは厳密にはマメ科に分類されます。そもそもナッツとは何か?については以下の記事もご参考にどうぞ↓↓)
≪ナッツとはそもそも何か!?意外と知らないナッツの種類や特徴を解説!≫
ナッツに含まれる栄養素には、健康に良いとされる不飽和脂肪酸、食物繊維、各種ミネラル・ビタミンなどがあり、普段の食生活で不足しがちな栄養成分を補給することができるのです。
ナッツは授乳トラブルを招くの?
ナッツは油分・脂肪が多いというイメージから、乳腺炎や乳児湿疹といった授乳中のトラブルを起こすと考えている方も多いですが、これは誤解です。1つずつ解説しましょう。
①乳腺炎
母乳の通り道である「乳腺」が炎症を起こした状態を乳腺炎と言います。母乳は母体の血液から作られるため、「脂肪分が乳腺を詰まらせる」と言われることがありますが、これには科学的な根拠はありません。一番の原因は、授乳姿勢や授乳間隔とされています。
【参考】【助産師監修】乳製品や肉はダメって本当? 乳腺炎を予防する食事とは? -マイナビ子育て
②乳児湿疹
乳児湿疹とは、生後2週~2か月頃に多く見られる湿疹で、顔・首・頭など皮脂の分泌が多い部位にあらわれます。胎盤を通じてもらっていたホルモンの影響により、皮脂が過剰に出ることと、赤ちゃんの毛穴が小さく詰まりやすくいことが原因とされ、母乳の影響ではありません。乳児湿疹で重要なのは、スキンケアです。
授乳中はナッツで間食を!
授乳中は、母乳を作るために普段の摂取カロリー+350kcalのエネルギーが必要とされます。しかし、子育てで自分のことが後回しになってしまう産後ママにとって、バランスのよい食生活を保ちつつ付加分のエネルギーも摂取するのは大変なことです。
そこでおすすめなのが、手軽に摂取できる間食です。たとえ食事が適当なものになってしまっても、その分栄養を補給できるものがおすすめ。それが栄養豊富なナッツです。おにぎりやふかしいもなども間食の代表ですが、手軽さの面ではナッツに勝るものはありません。
授乳中に必要な栄養素とナッツ
授乳中に必要とされる栄養素とはどんなものがあるのでしょうか?今回は、重要な栄養が多く含まれるナッツの種類も合わせて紹介していきます。
貧血予防に『鉄』
産後のママの体は、出産・分娩による出血で貧血になりやすいです。また、授乳中は母乳にも鉄分が必要になります。そのため鉄分は、母体の貧血予防のためにも、栄養のある母乳のためにも重要です。厚生労働省によると、妊娠前+2.5mgの鉄が必要とされています。
鉄分が豊富なナッツとしては、カシューナッツが代表的です。その他ひまわりの種、ブラジルナッツもおすすめです。
母乳で消費される『カルシウム』
赤ちゃんの丈夫な歯や骨の形成を助けるためには、カルシウムが必要です。授乳中には、母乳のためにカルシウムが使われ、母体の骨密度が低くなりやすいとされています。骨折のリスクもあるため、カルシウムを十分に摂取する必要があります。
カルシウムは、厚生労働省の指針ではあえて付加量が指定されていませんが、もともと摂取が不足しがちな栄養素なので、意識して摂取しましょう。カルシウムが豊富なナッツにはアーモンドが挙げられます。
血液を作る『葉酸』
葉酸は、妊娠初期に必要な栄養素として有名ですが、授乳中にも重要です。葉酸は、赤血球を作る働きを持つため、不足すると正常な赤血球が作られず、”巨赤芽球性貧血”という貧血になるリスクが高まります。赤ちゃんの血液をしっかり作るためにも、ママの貧血を予防するためにも、葉酸は重要な成分なのです。
非妊娠時に比べると、授乳中には+100μgの葉酸を付加すべきとされています。葉酸が豊富なナッツには、ひまわりの種やくるみがあります。
【参考】葉酸の働きと1日の摂取量 -健康長寿ネット 公益財団法人長寿科学振興財団
妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 -厚生労働省
母乳の栄養に『各種ビタミン』
母乳を作る過程では、様々なビタミンも必要になります。ここで、摂取すべき代表的なビタミンとその役割について、簡単に説明しておきましょう。
●ビタミンA:赤ちゃんの皮膚や粘膜の発育や目の発達に重要。
ピスタチオに多く含まれる。
●ビタミンB2:「発育のビタミン」ともいわれ、発育促進に重要な役割を果たす。
アーモンドに特に豊富。
●ナイアシン:エネルギー産生、ホルモンの合成、DNA合成など様々な働きを持つ。
ピーナッツに豊富に含まれる。
その他、日光によって生成されるビタミンDや、血液凝固に関わるビタミンKも重要です。
産後のマイナートラブルにもナッツ
妊娠中と同様に、産後にもマイナートラブルがありますが、これにもナッツが有効です。主なマイナートラブルとしては、便秘・抜け毛・マタニティーブルーなどがあります。
抜け毛予防に
妊娠中は、女性ホルモンの増加により多くの毛髪が成長期に入ります。しかし出産後のホルモン変化により、成長期の毛髪が一斉に成長を止めるため、抜け毛が多く生じるのです。通常この現象は一過性で、半年も経てばもとの状態に戻ります。
しかし栄養が不足していると、なかなか髪の毛がしっかりしてこないこともあります。それを予防するためには、亜鉛が重要です。亜鉛には、髪の主成分であるケラチンを生成する働きがあるのです。亜鉛を多く含むナッツには、カシューナッツやひまわりの種があります。
【参考】女性ホルモンと薄毛の関係からケア方法まで研究員が解説 -資生堂
亜鉛が不足すると髪は抜けやすくなる? -クリニックフォア
便秘予防に
産後は、疲れや痛みのために運動不足になったり、母乳に水分を取られて便が硬くなりやすいため、便秘傾向になりがちです。また帝王切開や会陰切開をした場合は、傷を気にしていきみにくいことも便秘につながります。
便秘の改善には、水分と食物繊維の摂取が重要となります。ナッツは全般的に食物繊維が豊富で、特にアーモンドには食物繊維が多いです。
産後特有の気分の落ち込みに
出産が終わってひと安心したのに、泣けてきたりイライラしたりと情緒が不安定になることがあります。これをマタニティーブルーと言い、ホルモンバランスの変化によるものです。産後2~3日から2週間程度の間に起こり、多くは自然に収まります。
しかし、マタニティーブルーがあまりに長引いているときは要注意です。「産後うつ」の可能性があります。産後うつは、うつの既往や育児の不安、パートナーの協力不足などが要因とされ、気分が落ち込んで育児にもママの生活にも支障を来たしてしまいます。
くるみに含まれるオメガ3脂肪酸には、不安をやわらげる作用が示唆されており、産後に積極的に摂取するのがおすすめです。また、くるみには幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの原材料となる「トリプトファン」というアミノ酸が豊富に含まれているのも特徴です。
気になる産後ダイエットにも
マイナートラブルとは少し別の話になりますが、やはり産後の体重変化も気になるところですよね。妊娠中のママは約10kgも体重が増加しますが、実際に出産で減るのは多くても5kg程度。そこから体重が戻るスピードは人それぞれのようです。
産後すぐにダイエットに取り組むのは厳禁ですが、食事のバランスを整えることはダイエットの基盤です。ナッツはこの時にも味方になります。ナッツには、代謝を促すビタミンや食物繊維が豊富であり、血糖値の上昇を緩やかにする効果もあるのです。
ナッツとダイエットの関係については、以下の記事もご参考にどうぞ↓↓
≪ミックスナッツがダイエットにおすすめの理由とは?ナッツ効果と適正な食べ方・食べる量を徹底解説!≫
ナッツを食べる時のポイント
1日の摂取量
栄養が豊富だからといって、ただやみくもにナッツを食べるのはあまりおすすめできません。ナッツには、健康に良い不飽和脂肪酸とはいえ、脂質を多く含むためカロリーオーバーになりやすいという特徴があります。
ナッツを適切に食べるには、まず1日の摂取量に注意しましょう。1日の摂取量目安は、約25~30g=手のひらに軽く一杯です。これで約100kcal前後なので、間食として授乳中のカロリー付加におすすめですよ。
ナッツの選び方
ナッツの選び方にもポイントがあります。ナッツといえば塩や油で加工されたものも多く見かけますが、これらは塩分やカロリーの摂り過ぎにつながります。栄養素をしっかり摂取しつつ、産後のダイエットにつなげるためには、無油無塩の素焼きタイプを選びましょう。
また、たくさんの種類の栄養を得るためにも、様々なナッツを組み合わせるのがよいです。ここで、おすすめのナッツのご紹介です。
小島屋ではたくさんの種類のナッツを取り揃えています。素焼きナッツも豊富で、完全無添加なので授乳中のママにも安心して食べていただけます。無塩無油はもちろんのこと、職人の手でこだわりのローストしているので、おいしさもバツグンです。
おすすめの食べ方
ナッツは、そのままおつまみとして食べられるのが魅力。産後の忙しい間は、そのままポリポリ食べるのがおすすめです。少し余裕があるときは、サラダにかけてナッツサラダにしてみるのも良いでしょう。下のレシピのように、ヨーグルトと混ぜてドレッシングにしておくのもおすすめですよ。
産後はナッツで栄養補給&回復!
産後や授乳中は、ママのためにも赤ちゃんのためにもバランスの良い食事と栄養摂取が重要。ナッツは、おいしく手軽に栄養サポートができる優れモノです。ぜひお気に入りのナッツを見つけて、間食・おやつに取り入れてみてくださいね♪
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よくある質問
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授乳中にナッツを食べても大丈夫ですか?
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授乳中は、母乳を作るために普段の摂取カロリー+350kcalのエネルギーが必要とされます。しかし、子育てで自分のことが後回しになってしまう産後ママにとって、バランスのよい食生活を保ちつつ付加分のエネルギーも摂取するのは大変なことです。そこでおすすめなのがナッツを間食に取り入れること。また産後の便秘やダイエット、また気分の落ち込みにもナッツは効果が期待できます。
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母乳をあげる時に食べてはいけないものは?
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母乳はお母さんの血液から作られるものです。そのため、血液をドロドロにしがちな油や砂糖の多いもの、また濃い乳製品などは食べ過ぎに注意が必要とされています。たとえば、インスタント食品、揚げ物などは避ける方が良いでしょう。そんな授乳中の方におすすめなのが、ヘルシーなナッツやドライフルーツ。たとえ食事が適当なものになってしまっても、その分栄養を補給できるのがおすすめのポイントです。
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ナッツは胎児に影響しますか?
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ナッツは妊娠中にも安心して食べていただけます。むしろ、妊娠中に必要な鉄分・葉酸・各種ミネラルといった栄養素を補給するのにぴったりです。妊娠中に特に注意すべき栄養素にビタミンAがありますが、特にビタミンAが多いピスタチオでも100g10μgRAEというわずかな含有量なので、特に気にされる必要はありません。
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母乳に影響しない食べ物はありますか?
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母乳はお母さんの血液から作られるので、お母さんの栄養状態は母乳に影響します。ただしその影響の仕方は、アルコールやカフェインなど直接的に母乳へ影響があるものから、お母さんの体にため込まれた栄養素が間接的に影響するものなど、様々です。例えばタンパク質の摂取は母乳中のタンパク質への影響はあまりなく、一定量が維持されます。