ピスタチオは「ナッツの女王」とも呼ばれるほど、美容や健康にうれしい栄養素を多く含むナッツです。近年、ピスタチオのスイーツやお菓子などもよく見かけるようになりましたが、そのまま食べるナッツとしても人気があります。
せっかく買うなら、いろいろなアレンジも楽しみたいところ。ピスタチオはご自宅でも、料理やスイーツのトッピングなどに活用していただけます。
そこで、今回はピスタチオの食べ方とおすすめアレンジをご紹介します。おいしく長持ちさせるための保存方法も、併せてご紹介しますので、ぜひご参考ください。
実は豊富!ピスタチオの種類
ピスタチオの多くは殻付きで販売されており、その中で産地、品種、フレーバー、素焼きか生かのどちらかで販売されています。製菓用などで殻が剥かれた状態のものも売られています。他には、加工品としてピスタチオペーストやピスタチオオイルなどもあります。
ピスタチオの加工品の種類
ピスタチオを砕いたり、形状を変えた加工品は、お菓子作りなどによく活用されています。
加工品の種類は以下の通りです。
・ピスタチオペースト
・ピスタチオパウダー
・ピスタチオプードル
アイスクリームならペースト、パウンドケーキならパウダー、マカロンならプードルと使用用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
加工品の一つで「ピスタチオオイル」というものもあります。
ピスタチオから抽出して作られた種実油で、オレイン酸やリノール酸が豊富な香り高いオイルです。食用や化粧用があります。
ピスタチオの由来と歴史
ピスタチオの歴史は意外にも古く、紀元前6500年ごろから食べられていたんだそうです。実際に、古代遺跡からは人々が食べていたとされるどんぐりや野生の種実と一緒に、ピスタチオが出土しています。
古代トルコやイランなどの、地中海沿岸地方にて自生していたピスタチオが、食用として栽培されるようになりました。その後、ピスタチオの種子がヨーロッパや世界各地へ伝わっていったといわれています。
日本でもピスタチオ愛好家が生まれるほど、ピスタチオは人気のナッツですが、渡来したのは19世紀初期ごろと伝わります。
1884年には日本でも栽培が試みられましたが、気候条件や風土がそぐわなかったことから、定着しなかったそうです。
現在では、原産国でもあるイラン、アメリカ、トルコ、ギリシャなどで栽培されています。
「ナッツの女王」の由来とは?
ナッツの王様は「マカダミアナッツ」、ナッツの女王は「ピスタチオ」といわれています。なぜ、このように呼ばれるようになったのでしょうか?
由来は諸説あるようで、一つはナッツの中でも女性にうれしい栄養素が豊富なことです。
もう一つは、旧約聖書に登場するシヴァという女王が独り占めするほど愛したナッツであるという伝説が元になっているといわれています。
「緑の宝石」とも称されるピスタチオには、人々を魅了するおいしさが詰まっていますね。
ピスタチオの健康効果5選+α
ピスタチオは他のナッツに比べて豊富に含まれる栄養素があります。ピスタチオの魅力の一つである栄養と、食べることで得られる健康効果をピックアップしてみましたので、ご紹介します。
抗酸化作用でアンチエイジング
ピスタチオには、ルテインやβカロテンなどの抗酸化作用を持つ栄養素が豊富です。活性酸素を除去することで、細胞の老化を防ぐ働きがあります。ルテインとゼアキサンチンという成分が特に多いため、ブルーライトや紫外線から目を守る効果も期待できます。
腸内環境改善で肌荒れにも◎
ピスタチオには、食物繊維と不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。このふたつの栄養素は相乗効果によって、腸を綺麗にして、胃腸の働きを活発にしてくれるのです。便秘解消の他、お肌をツヤツヤにしてくれる効果や、アレルギーによる全身の不調改善にも役立ちます。
冷え性の改善と貧血予防
必須脂肪酸のオレイン酸とリノール酸が豊富なため、血中コレステロールを正常にし、血液の流れを良好にしてくれる働きがあります。血液が全身に行き渡ることで、冷え性の改善や予防にもなります。
また、ピスタチオには鉄分や銅も含まれているため、貧血予防にもおすすめのナッツです。
血糖値上昇予防でダイエットに
食事で太る原因の一つに、血糖値の急激な上昇があげられます。ピスタチオはGI値が低く、食物繊維も豊富なことから、血糖値の上昇がゆるやかです。
殻を剥いて食べるときに、よく噛むことで満腹感を得られやすいため、食べ過ぎを防げるでしょう。血糖値だけでなく、タンパク質が多いという点や食べるための動作から見ても、ダイエットにおすすめといえます。
むくみ予防と血圧上昇を防ぐ
ピスタチオはナッツの中でもトップクラスにカリウムが多いです。不飽和脂肪酸も豊富なことから、高血圧予防やむくみの改善と予防に効果が高いとされています。
不飽和脂肪酸はコレステロールを下げる効果もあるため、動脈硬化や血圧が原因となる生活習慣病の予防にもつながります。
アレルギーにご注意を!
ピスタチオのみのアレルギーは一般的ではないといわれています。ピスタチオはウルシ科のため、原因となるアレルゲンの形状が似ているカシューナッツ、同じウルシ科のマンゴーで症状が出た方は注意が必要です。
漆でかぶれたことがある方も、ウルシ科アレルギーの可能性が高いため、ピスタチオを食べるなら事前に専門医を受診することをおすすめします。
お菓子だけじゃない!ピスタチオの食べ方
ピスタチオの多くは、素焼きやローストされたものが販売されています。生のものも売られていますが、食べる際にはひと手間かかるほか、食べ過ぎるとおなかが痛くなることもありますので、注意が必要です。ピスタチオのおすすめの食べ方をご紹介します。
ピスタチオの殻の剥き方
お店に並んでいるピスタチオは、ほとんどが殻付きで売られています。殻が割れているのは、実が成熟して自然に割れるためです。殻付きで売られている理由としては、殻が手で簡単に剥けること、湿度に弱い実を守り風味を損なわないことなどがあげられます。
【きれいな殻の剥き方・割り方】
・ピスタチオの殻のかけらを持つ
・殻の割れ目にかけらを差し込む
・かけらをグイっとひねるように回す
ほとんどの場合、素手でパカッと殻を剥くことができますが、閉じていたり固くて割れなかったりしたときには、このように試してみてくださいね。
隙間がない場合は、ペンチなどで殻を割る方法もあります。薄皮にはポリフェノールがたっぷり含まれているので、できればそのままいただくのがおすすめです。
生ピスタチオの食べ方
加熱せずに乾燥させたピスタチオも、生ピスタチオとしてお店に並んでいます。素焼きのものと比べると、しっとりとした食感で自然な甘みが楽しめます。
そのまま殻を剥いて食べられますが、浸水して酵素を活性化させてから食べたり、自分で焙煎してスイーツ作りに活用する方もいらっしゃいます。
注意点として、生のピスタチオは傷みやすく、カビやすいため、密閉容器に入れて保管してなるべく早めに食べましょう。
ピスタチオペーストの活用法
ピスタチオをすりつぶしてペースト状にした「ピスタチオペースト」という商品もあります。類似商品としてピスタチオクリームやピスタチオスプレッドがありますが、このふたつは乳製品や砂糖などで味付けされたものです。ピスタチオペーストは原材料がピスタチオのみで作られています。
ピスタチオペーストには、ローストしたピスタチオを使用したものと、生のピスタチオを加工したものがあり、生が原材料の場合は加熱して使う必要があります。
ペースト状になっているため、生クリームやバタークリームに混ぜてアレンジしたり、マフィンに混ぜ込んでピスタチオカラーのケーキに仕上げたりすることもできます。
【ピスタチオペーストの使い方の例】
・アイスクリームにかけて
・エクレアのクリームに
・ピスタチオのレアチーズケーキに
・パンケーキの生地に
・ペンネのソースに
・サラダのドレッシングに
・ステーキの付け合わせに
ピスタチオペーストを使えば、いつものお料理がちょっとおしゃれに大変身です!
ピスタチオを料理やお菓子作りにアレンジしたい方は、ご自宅でもピスタチオペーストが作れます。薄皮をできるだけ取り除き、お湯に3~5分浸して水気を切り、フードプロセッサーにかけるだけです。
料理によっては牛乳と混ぜてペーストにしてもよいでしょう。ペーストにすることで、冷蔵保存で2~3日ほど持ちます。もし、ピスタチオの賞味期限が近くなってしまったなら、ペーストにして料理などにアレンジしてみると、より楽しめますよ。
お菓子や料理のアレンジレシピ
ピスタチオの食感を活かしたアレンジも、手軽でおしゃれに、おいしくいただけます。
・キャロットラぺのアクセントに
・アンチョビとピスタチオのパスタ
・カルパッチョのトッピングに
・ドライフルーツとピスタチオのクッキー
・ナッツたっぷりマンディアン
お菓子だけでなく料理のトッピングや香りづけにも使えます。
お肉のシーズニングパウダーに加えると、高級感のある香り高い一品になりますよ。
ハーゲンダッツなどのアイスと合う組み合わせは?
クラッシュしたピスタチオでも、ピスタチオペーストでもアイスクリームにかけるだけで絶品になります!ハーゲンダッツやジェラートのお店でも見かけますが、ピスタチオの味と相性のよいフレーバーは何があるのでしょうか?
アイスの組み合わせの例を3つご紹介します。
一つ目はバニラやミルク味とピスタチオアイスのダブルです。この組み合わせなら、味がぶつからずにピスタチオの濃厚なコクが味わえます。
二つ目は、ベリー系との組み合わせです。こちらも、ほど良い酸味と甘みがピスタチオのまろやかさとマッチして、良いコンビです。色合いもかわいらしいですね。
最後に番外編にもなりますが、チョコレートのアイスにクラッシュしたピスタチオという組み合わせもおすすめです。食感の違いを楽しめるだけでなく、マンディアンのような香ばしさとカカオの相性も抜群の組み合わせです。
ピスタチオアイスは手作りもできますので、ぜひお試しください。
自宅で簡単!手作りピスタチオアイスのレシピ
長くおいしく!ピスタチオの賞味期限と保存方法
殻付きの素焼きピスタチオの賞味期限は、未開封で3~5ヶ月ほどです。湿気やカビに弱いため、開封後は適切な方法で保管しましょう。分量にもよりますが、開封後は1週間~1か月以内に食べきるのが理想的です。
おすすめの保存方法
他のナッツにも共通する「湿気」と「酸化」を防ぐための保存方法です。
・密閉できる容器か空気を抜けるジップパックにいれる
・直射日光を避けて湿度が高くない涼しい場所で保管する
温度変化が激しい場所も好ましくないため、レンジやコンロなど熱が発生する場所も避けましょう。冷蔵庫も湿気が多くカビが生えてしまう可能性が高いため、ご注意ください。
どうしても食べきれない場合は、はちみつ漬けやペーストなどに加工して使い切ると無理なく楽しめます。
冷凍保存はできる?
ピスタチオの最適な温度は、10~14℃程度です。ワインセラーの温度が良いとされています。冷蔵庫内であれば野菜室が近いですね。
ピスタチオは、風味が少し落ちてしまいますが、冷凍保存も可能です。大量にあり食べきれない場合などには、小分けに密閉状態にして保存しましょう。
人気のピスタチオをいろいろなアレンジでおいしく食べよう!
ナッツの女王とも呼ばれるピスタチオには、女性もうれしい健康効果が豊富に含まれています。そのままの状態でも楽しめますが、クラッシュしてトッピングに使ったり、ピスタチオペーストにしてアイスを作ったりしても、おいしくいただけます。産地によっては、販売時期が限られるものもありますので、ぜひ旬の美味しい時期に試してみてくださいね。
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