いちじくは産地や品種によって、味わいが違います。生だけでなくドライいちじくなどの種類もあるので、いちじくの選び方を知っておくと用途に合わせて選びやすくなります。いちじくの選び方と保存方法などもご紹介します。
いちじく(無花果)の種類と選び方
いちじく(無花果)には、100種類以上もの品種があり、その多くが西日本で栽培されています。産地により収穫時期が異なることもあり、生だけでなくドライいちじくやジャムなどの加工品に使われることもあります。
日本のいちじくは主に3品種
日本で栽培されているいちじくは、以下の3品種です。
・果皮が茶色で流通の8割を占めるいちじく
・果皮が黄緑色の白いちじく
・果皮が濃紫色の黒いちじく
それぞれ見た目の違いだけでなく、味わいや収穫時期、適した調理法なども異なります。
「ドーフィン」を代表とするいちじくは、果皮が固く輸送にも耐えられる頑丈さを兼ね揃えており、9月から10月ごろに収獲時期を迎えます。
「バナーネ」などが代表的な白いちじくは、10月下旬~12月にかけて、生産量が少ない黒いちじくは6月下旬~8月にかけて収獲されます。
いちじくの産地は?
いちじくは日本固有の農産物と思いきや、実は世界各国でも栽培されています。
国別で見ると生産量のトップは、トルコです。この他に、イラン、スペイン、アメリカなどで生産されています。
いちじくはメソポタミアにて、6000年以上も前から栽培されていたことが知られています。古代ローマでも一般的なフルーツの一つであり、重要な甘味源でもあったといわれています。
いちじくはどんな味?違いは?
生のいちじくは、酸味や苦みなどがあまりなく、甘みが強いのが特徴です。食感はやわらかくとろみがあり、種の部分はぷちぷちとしています。
甘みの強さや柔らかさ、酸味などは熟し具合や産地によっても違います。トルコ産の方がイラン産よりも、甘みが濃厚であったり、食感が柔らかめであったりするなど、見た目から味わいも異なります。
いちじくの熟し具合をチェックする方法
完熟したいちじくは、甘みが強く芳醇な香りが楽しめます。いちじくは追熟しない果実のため、購入するときに熟し具合を見て選ぶことが大切です。
・お尻が割れかけている
いちじくは完熟するとお尻の部分にあたる果頂部が割れます。
割れすぎているものは、熟しすぎている可能性が高いので要注意です。
・果皮の色が濃い
品種により果皮の色が異なりますが、果皮が赤褐色や紫色など濃く色づいているものは完熟しているサインです。
・果皮にハリや弾力がある
ぷっくりと丸い形をしていて、表面を触ると少し弾力があるものを選びましょう。
果皮にハリがあることも、新鮮な証拠です。
・甘い香りがする
他の果物でも同様に、いちじくも熟すと芳醇な甘い香りが漂います。
いちじくの栄養価
いちじくには、美肌効果やアンチエイジング効果をもたらす栄養素がたっぷり含まれています。
100gあたり | いちじくの栄養 |
カロリー | 57kcal |
炭水化物 | 14.3g |
たんぱく質 | 0.6g |
脂質 | 0.1g |
食物繊維 | 1.9g | カリウム | 170mg |
鉄 | 0.3g |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンB6 | 0.07mg |
腸内環境を整えるペクチン
いちじくには、水溶性食物繊維の一つであるペクチンが豊富に含まれています。ペクチンは善玉菌のエサとして食べられることにより、善玉菌の動きが活発になることで便通を良くしたり腸内をきれいにしてくれるのです。
また、余分な脂質や糖分、ナトリウムなども排出する作用があるため、整腸作用以外にもコレステロールや血糖値の上昇を抑える働きがあります。
老化防止のビタミンE
強い抗酸化作用を持つビタミンEが豊富なことも特徴の一つです。細胞が酸化するのを防ぎ、アンチエイジング効果も期待できます。ビタミンEだけでなく、ポリフェノールも豊富なことから、いちじくは「不老長寿の実」と呼ばれることもあるそうです。
鉄分の利用を助ける銅
ミネラル成分の銅を含む食品は、カキやイカ、タコなどが代表的ですが、いちじくにも含まれています。銅はエネルギー生成や鉄分の利用を促す働きがあり、貧血予防にもなります。
いちじくはどこで買える?
旬の時期になれば、スーパーや百貨店などにもいちじくが並んでいます。農家直送やセレクトショップなどの通販でも購入できます。ドライフルーツや加工品であれば、年中入手可能ですが、ドライフルーツも旬のいちじくを使用している場合はいつでも手に入るとは限らないので、注意が必要です。
収獲時期と旬
いちじくは種類によって夏に収穫されるものと、秋に収穫されるものがあります。夏に旬を迎えるいちじくは、6月~8月頃に収穫されます。
秋に旬を迎えるものは、8月~11月頃です。
価格の目安
スーパーやネット通販でのいちじくの価格は、1パック2~4個入り(約350g)で1000~2000円前後です。ブランドや大きさ、購入時期によって価格に変動があります。
ちなみに、ドライいちじくは1kgで3000〜4000円程が目安となる価格です。
いちじくの保存方法
いちじくは傷みやすいため、早めに食べるか熱を通してジャムやコンポートに加工すると、おいしくいただけます。しかし、いただきものなどで保存しておきたい場合はどうすればよいのでしょうか?いちじくの保存方法をご紹介します。
冷蔵保存
いちじくは常温で保存すると苦みが出ることがあります。保存する際は冷蔵もしくは冷凍保存することで、少し長持ちします。
1. 傷や傷んでいるいちじくは取り除き、水気を拭き取る
2. とつずつラップで包む
3. トレーやお皿に重ならないように並べる
4. 冷蔵庫の野菜室で保存する
冷蔵保存で2~3日保存可能です。水気がついていると痛む原因になるため、保存する前ではなく、食べる直前に洗うようにしましょう。
冷凍保存
冷凍することで長持ちしますが、食感が変ってしまうので、加工用におすすめです。
1. いちじくを洗い、水気を拭き取る
2. ひとつずつラップで包む
3. 冷凍用保存袋に密閉していれ、冷凍庫に入れる。
4. この時に金属製バットなどを使うと急速冷凍でき劣化を防げます。
冷凍保存で約1か月保存できます。半解凍させてシャーベットのように食べるのも、違った食感が楽しめておすすめです。ジャムやコンポートにする場合は、皮をむいてカットしてから冷凍すると、冷凍したままお使いいただけます。
ドライいちじくなら、未開封で約3~4ヶ月保存できます。生のいちじくを皮ごと天日干し、またはオーブンで乾燥させて作ることもできます。ドライいちじくなら気軽におやつやおつまみとして、楽しめますね。ご自宅でも作れますので、ぜひお試しください。
ナッツと相性抜群!いちじくアレンジレシピ
いちじくはメイン級からスイーツに至るまで、アレンジも無限にあります。いちじくを甘みを活かして調味料として使用したり、食感や色味を活かしてサラダや副菜などに使ったりしても良いでしょう。
簡単!いちじくのカプレーゼ
いちじくとモッツァレラチーズをカットして、オリーブオイルと塩コショウを振り、盛り付けるだけの簡単レシピです。食感のアクセントにナッツをトッピングしてもおいしいですよ。いちじくの芳醇な甘みとチーズの濃厚さがマッチして、おつまみとしても相性抜群です。
生ハムといちじくのチーズサラダ
いちじくと相性の良い生ハム、ナッツ、クリームチーズを使ったサラダです。黒オリーブの実やバルサミコ酢のドレッシングを使えば、本格的なイタリアンになります。砕いたナッツを使えば、食感が変わって食べ応えのあるサラダになりますよ。
甘いいちじくを選んでおいしく食べよう
いちじくは年に2回旬を迎えるものがあり、熟したいちじくには見た目に特徴があります。美容や健康にうれしい栄養成分も多く含み、産地によってサイズや実のやわらかさなどが異なるため、選び方を心得ておくと便利です。
ぜひ、お好みのいちじくを探してみてくださいね。
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