くるみの実は産地や種類に違いがあることをご存じでしょうか?
最古の木の実として親しまれてきたクルミですが、栄養も豊富なんです。その驚くべき健康効果と殻付きくるみの割り方から、料理に使えるレシピと保存方法までご紹介します。
くるみは最古の木の実?種類と産地の違い
くるみは、古くから親しまれてきた最古の木の実とも言われています。
現在、日本でも広く流通しているくるみの種類と産地の違い、歴史についても解説します。
くるみの歴史
くるみは紀元前7000年から食用とされてきた、最古の木の実と言われています。
古代ペルシャが原産とされ、栄養面や効能から見ても、重宝されてきた食材だと言えるのです。実際に栽培が始まったのは、およそ2000年前とされており、原産地イランから地中海を渡って、ヨーロッパや各国へ伝えられました。
くるみの種類
一般的に市販されているクルミは、主に3種類あります。
1つ目は、「セイヨウクルミ」とも呼ばれる「ペルシャクルミ」です。一般的にクルミと呼ぶもののほとんどが、ペルシャクルミのことを指します。世界的にも親しまれていて流通量も多いです。
特徴としては、殻が薄くて割りやすく、果実が大きい点です。こちらは約3000年前から栽培されていたと言われており、長い歴史を持っています。
2つ目が、「テウチグルミ」(別名:カシグルミ)です。ペルシャクルミが変異した種類とされています。というのも、テウチグルミは野生の原産地が見つかっていないようです。ペルシャクルミが東へ伝わっていく過程で、変異したとされています。
テウチグルミの発祥地は中国で、手で簡単に割れることから名づけられたと言われています。製菓用のクルミとして用いられることから、別名カシグルミと呼ばれるようになったそうです。
最後の1つが、「シナノグルミ」です。テウチグルミとペルシャグルミを自然交雑させてできた品種で、名前の通り長野県(信濃)で栽培されています。
くるみは大きく分けると以上の3種類となりますが、その中でもさらに原産地ごとに品種が複数あります。
くるみの産地
くるみの原産国はイラン、現在の主な生産国はアメリカ、中国、イラン、トルコなどです。
古代ペルシャから地中海を渡り、東回りで中国から日本へ伝わったことから、日本では「胡桃」(くるみ)と表記されるようになったと言われています。
アメリカのカリフォルニアが主な産地となるのが、「ペルシャクルミ」です。
日本原産の品種には、「オニグルミ」「ヒメグルミ」があり、いずれも北海道から九州まで広く分布しています。
くるみの加工方法
一般的に販売されているくるみは、殻剥きの素焼き、もしくは殻付きで生のまま売られているものが多いです。
殻付きのものは、収穫→洗浄→乾燥を経て出荷されているものが多く、購入してからご自宅でローストしたり、殻を剥く必要があります。
一方、殻剥きくるみはそのままお使いいただけるので、料理やお菓子作りにも活用いただけます。
くるみの殻をハンドメイドなどで使いたいという方にも、殻付きくるみが人気です。日本原産の和くるみは特に殻が硬いため、専用のくるみ割り器やペンチなどを使用します。
くるみをフードプロセッサーにかけて、粉末にするとアーモンドプードルの代わりなどに使うこともできますよ。
くるみの栄養価
くるみの主な栄養価は以下の通りです。
100gあたり | |
カロリー | 713kcal |
たんぱく質 | 14.6g |
食物繊維 | 7.5g |
一価不飽和脂肪酸 | 10.26g |
多価不飽和脂肪酸 | 50.28g | マグネシウム | 150mg |
銅 | 1.21g |
亜鉛 | 2.6mg |
ビタミンB1 | 0.26mg |
ビタミンB2 | 0.15mg |
ビタミンB6 | 0.49mg |
葉酸 | 91µg |
くるみの栄養価を見て、特に特徴的なのは多価不飽和脂肪酸の一種であるオメガ3脂肪酸が他のナッツ類に比べて豊富なことです。加えて、抗酸化作用が最も高く、ビタミン類なども多く含んでいます。
くるみは認知症予防になる?驚きの健康効果!
くるみには抗酸化作用と抗炎症作用を持つ栄養が含まれており、認知症予防への効果が期待されていることが研究結果として報告されています。
くるみに含まれる驚きの健康効果や栄養について解説します。
くるみでダイエットと美肌効果
くるみは、整腸作用や食べ過ぎを防ぐ不溶性食物繊維が豊富です。カリっとした歯ごたえもあり、満腹中枢を刺激するため、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。その他、肌のターンオーバーを促進したり、皮膚の老化防止にもなるビタミンB群なども含むため、ダイエットだけでなく、美肌効果も期待できるナッツと言えます。
くるみで生活習慣病予防
くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は、LDLコレステロール値を下げて血流を促進させる働きがあります。高血圧やコレステロール値が高めの方などにも、おすすめのナッツです。
くるみで睡眠の質も上がる!
くるみには抗酸化物質であるメラトニンが豊富に含まれています。メラトニンとは、体内時計を整えて自然な眠りへと誘う効果があるとされるホルモンです。
また、くるみにはトリプトファンというアミノ酸も含まれており、自律神経のバランスを整えるセロトニンを分泌します。セロトニンは夜になるとメラトニンに変化しますので、トリプトファンを摂取する必要があります。
くるみで認知症予防にも?
実際にいくつかの研究で、クルミを食べることで認知力の向上や認知症の進行が低下する可能性があることが明らかになっています。くるみに含まれる抗酸化物質や抗炎症作用をもつ栄養素などが関係していると言われています。
身体の若返りだけでなく、記憶の改善や認知機能における改善が期待されています。
くるみの保存方法
くるみの実は、他のナッツ類と同様に酸化を防ぐため、密閉容器に入れて冷暗所にて保管するのがおすすめです。直射日光を避けて、適切な温度(5度~15度程度)の冷蔵保存、長期間保存する場合は冷凍庫に入れましょう。
殻付きのくるみなら、数か月は鮮度を保てます。食べる分だけ殻を割るようにしましょう。
生の実が最も劣化しやすいので、保存するならローストするのもおすすめです。
くるみの食べ方
くるみは殻付きと実だけで売っているもの、生とローストしたものがあります。
そのまま食べるなら、殻付きの方が新鮮さがあっておいしいのですが、殻を割るのは一手間かかります。
料理やお菓子作りに使うなら、剥き身の状態で売られているものを使うのが良いでしょう。無塩タイプのものなら、ご自身でフレーバーをつけたり、はちみつ漬けなどにアレンジできます。
くるみの割り方1~道具がある場合~
殻付きのくるみを割る方法には、いくつかあります。
まずは、道具がある方やこれから購入予定のある方向けの方法をご紹介します。
くるみを割る道具には、専用の「くるみ割り器」があり、形状もさまざまです。
プレスして割るタイプの「くるみ割り人形」や「ナッツクラッカー」や、叩いて割るタイプのハンマー状のものまであります。ねじ式でプレスするタイプのナッツクラッカーは、銀杏など他の用途にも使える器具です。
ペンチのような形状で、挟んで割るタイプのものもあり、ホームセンターにも取り扱いがあるようです。
くるみの割り方2~道具がない場合~
専用の道具がない場合でも、工夫すればくるみの殻は割れます。
一つ目は、「乾煎りしてから割る方法」です。
殻ごと一晩水に浸けてから、フライパンで乾煎りすると、くるみのとじ目に隙間があきます。十分に冷ましてから、包丁やマイナスドライバーを隙間に差し込めば割れます。
二つ目の方法は、種類が限られてしまいますが、和くるみの場合なら素手やハンマーなどで割ることも可能です。素手で割る場合も、水に浸けてやわらかくしておきます。くるみを2つ用意し、一つ目のくるみのつなぎ目ともう一つのくるみのつなぎ目の横の部分、丁度硬い部分と柔らかい部分が接するようにして、ぎゅっと力を込めてにぎると、片方が割れます。
道具を使わずに割ることもできますが、オニグルミなど殻が硬いものもありますので、金槌などを使う方が簡単に割ることができます。
くるみの料理レシピ
くるみはそのまま食べるだけでなく、料理やお菓子作りにもご活用いただけます。
主食やサラダに使えるくるみ活用レシピを3つご紹介します!
ご飯と混ぜ込む前の、くるみ味噌の状態にしておけば、保存食としてもOKです。
おにぎりにして、大葉と一緒に食べてもおいしいですよ。
くるみをトッピングしたサラダに、クルミで作ったドレッシングで!ドレッシングは作り置きもできますので、サラダ以外に冷奴や温野菜のディップとしてもお使いいただけます。
トッピングに使うくるみは、ローストして少し砕くと、食感にアクセントが生まれておいしいですよ。
くるみって、カレーにもよく合うんです。しかも、簡単にできちゃいますので、野菜を使っちゃいたい時などにもおすすめします!
くるみの実を食べてこれからも健康に!
くるみの実には、アンチエイジングのための栄養素が豊富に含まれており、古くから人々の豊富な栄養源として愛されてきました。くるみを殻付きで購入した場合は、殻を割る手間はありますが新鮮な実を味わえます。食べきれずに余ってしまっても、適切な環境で保存するか、料理に使うことでおいしくいただけますので、ぜひお試しください!
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