柿を干して作られる干し柿。干し柿とは一般的に、渋柿を干して作られる、昔ながらのドライフルーツです。そんな干し柿は、ダイエットのお供として最近人気を集めているのをご存知でしょうか?一方、干し柿は体に悪い、といった干し柿のデメリットに関する話もよく聞かれます。一体どれが事実なのでしょうか。
そこで今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、干し柿の栄養と食べ過ぎによる影響を解説しましょう。また、干し柿を毎日食べるとどうなるのか、さらに干し柿の効能である、高血圧予防や便秘解消についても詳しく解説します。
干し柿の良さは?
どこか古めかしいイメージを持つ方も多い干し柿。干すことで渋柿の渋みが甘さに変化し、水分が適度に抜けることでねっとりとした食感になるのが特徴です。そんな干し柿の良さは、豊富な栄養と効能にあります。
最近は干し柿の効果も注目されていますが、「干し柿は何に効きますか?」という質問も多く見かけます。実際、干し柿の効能は若い人にも注目されており、ダイエットのお供としてや、干し柿の美容効果を考えて食べるという方も多いです。
干し柿は体に悪いって本当?
干し柿をはじめ柿は、食べ過ぎると体に悪いといった話を聞かれたことがあるかもしれません。よくいわれるのは、干し柿の食べ過ぎで「胃石」ができるというもの。胃石は、消化しきれなかったものが集まってできますが、これが消化管の通りを悪くするとされています。
干し柿のデメリットは、「柿胃石」を作るリスクになることです。柿胃石は、柿に含まれるタンニンの主成分である「シブオール」が胃酸で溶けづらくなり、他の食物残渣と結合するなどしてできます。これは、1度に多くの柿を食べ過ぎることでできてしまうものです。
とはいえ、柿にはビタミンなど栄養が豊富なのも事実。干し柿にはβカロテンも豊富なので、癌の予防にも期待ができます。食べる量としては、多くても1日に1個~1.5個くらいにしておくと心配はないでしょう。干し柿を毎日食べるとしても、適量は同程度です。
干し柿は体にいい!栄養や効能を解説
干し柿の栄養
干し柿に含まれる栄養素には、βカロテンやカリウム、食物繊維、タンニンなどがあります。食物繊維などは日本人が不足しがちな栄養素なので、干し柿を毎日食べることで栄養素を補えますね。ちなみに、干し柿の効能に便秘解消効果がありますが、これは食物繊維のおかげです。
また、タンニンは渋柿に含まれるイメージかもしれませんが、干し柿にしたからといってタンニンが消えるわけではありません。タンニンはポリフェノールの1つで、細胞のサビを防ぐ抗酸化力を持っています。
干し柿に含まれる食物繊維・タンニンといった栄養素は、適量であれば効果を発揮しますが、食べ過ぎると体に悪影響がある場合も。これが、干し柿が体に悪いとされる理由です。どんな食べ物も、健康のためには適量を守って食べるのがよいですね。
干し柿のビタミンは?
干し柿に含まれる主なビタミンは、ビタミンA。柿のビタミンAは、βカロテンが体内で変換されることで生成され、皮膚や粘膜の健康を維持したり、眼の光刺激反応に重要な役割を果たします。またビタミンAは抗酸化ビタミンとも言われ、干し柿の美容効果を高める役割も担っています。
脂溶性ビタミンであるビタミンAは、体に蓄積されるので、干し柿の栄養素の中でも数少ない、食べ過ぎに注意すべき栄養素でもあります。ただ、ビタミンAの平均摂取量は成人の推奨量より少ないので、柿の食べ過ぎで推奨量を大きく上回ることは考えにくいでしょう。
干し柿のダイエット効果
ダイエット中のおやつとしても人気の干し柿。干し柿のダイエット効果は、大きく2つあります。①食物繊維による血糖値上昇を緩やかにする効果と、②満腹感を得る効果です。さらに干し柿には、後述するように美容効果や便秘解消の効能も期待できます。
とはいえ、カロリーや糖質が気になり、干し柿は太ると思っている方がいるのも事実です。干し柿のカロリーは100gあたり274kcalで、糖類は58.7g。他のドライフルーツと比べると、カロリーも糖類も低めなので、ダイエット中にはうれしいですよ。ちなみに、干し柿1個分では100kcal程度です。
ただし、食べるタイミングには注意が必要。では、干し柿ダイエットでの食べるタイミングは、いつが適切なのでしょうか?正解は14~15時くらいです。干し柿をダイエット中のおやつとして食べる場合は、脂肪になりやすい夜を避けて食べるのがおすすめ。もちろん、食べ過ぎはNGですよ。
干し柿には美容効果も
干し柿には、ダイエットだけでなくアンチエイジングといった美容効果も期待できます。これは、干し柿の抗酸化力によるものです。干し柿のビタミンは、抗酸化ビタミンであるビタミンA。また干し柿が体に悪いと言われる原因であるタンニンも、ポリフェノールの一種なので抗酸化作用があります。
そのため、干し柿の効能には抗酸化作用による細胞の酸化防止が期待できます。細胞を酸化させる活性酸素が過剰になってしまうと、老化やシミ・しわのリスクにもなります。干し柿など抗酸化物質の多い食べ物を毎日食べることで、美容効果をゲットしたいですね。
さらに、干し柿に含まれる食物繊維には、腸を刺激する効能があり便秘解消も期待できます。デトックスになるので、肌荒れが治る可能性もありますよ。ただし、干し柿を食べるタイミングと量には注意してくださいね。
干し柿は高血圧に効果あり
干し柿の効能効果は、美容に限るものではありません。干し柿の効能には、高血圧予防もあります。干し柿に豊富なカリウムは、余計な塩分(ナトリウム)と水分を体外に排出する効果があり、高血圧予防に効果がある栄養素です。
WHOのガイドラインでも、生活習慣病の予防のために、カリウムを少なくとも1日3510mg以上摂取することが推奨されています。脳卒中や心血管疾患の予防には、干し柿などカリウムを含む食べ物を毎日食べるのがよいでしょう。(ただし腎臓に障害がある方はカリウム制限があるので注意が必要です。)
【参考】カリウム -e-ヘルスネット≪カリウム制限がある人はドライフルーツの食べ過ぎに注意!腎臓病患者が食べても良い量はどのくらい?≫
干し柿のおすすめの食べ方
干し柿を毎日食べるのはOK?
干し柿は体に悪いと思われることも多いですが、先述したように、干し柿の適量を守れば毎日食べても問題ありません。干し柿をダイエット目的で食べるもよし、高血圧の予防目的で食べるも良し。干し柿の効能を得るには、少しずつを毎日食べるのが良いでしょう。
干し柿の栄養素が凝縮!レシピ
健康や美容に嬉しい干し柿の効果効能は、ぜひ得たいものですよね。干し柿をそのまま毎日食べるのもよいですが、干し柿は料理やスイーツにも使える食材です。ここで、アレンジレシピをご紹介しましょう。
ザクザク食感で、朝食にもおやつにもなるオートミールのレシピです。干し柿の他、ナッツ類を入れるとさらに栄養素が増えますし、美味しいですよ♪干し柿はもちろん、オートミールも血糖値の急上昇を抑えてくれる食材なので、ダイエット中におすすめです。
秋の味覚をふんだんに使用したおかずレシピです。干し柿のビタミンはビタミンAですが、きのこにはビタミンDが豊富。また、カリウムも含まれるので、干し柿と同様に高血圧予防に嬉しいですね。また、実はカリウムはむくみの解消にも効果があります。干し柿&きのこのカリウムの相乗効果で、むくみ解消にも期待できるでしょう。
干し柿とドライ柿は別物?
ちなみに、干し柿と似た食べ物にドライ柿があります。干し柿は皮をむいただけの渋柿を吊るして乾燥させるのに対し、ドライ柿は切った柿を乾燥させたもので、ドライ柿では甘柿も渋柿も使われます。
小島屋【完全無添加!2種類のドライ柿】
2種類のうち、1つ目は奈良県産高級甘柿の富有柿のドライ柿。干し柿とドライフルーツの間のような、ねっとり&旨みのある仕上がりです。2つ目は、アゼルバイジャン産の渋柿である蜂屋柿をスライスしたドライ柿です。もっちりした食感ですが、比較的さっぱりしたフレッシュ感を味わって頂けます♪
干し柿の栄養素で健康な毎日を!
昔から続く先人の知恵である干し柿。今回は干し柿の栄養や効能、食べ方についてご紹介してきました。食べ過ぎには注意が必要な干し柿ですが、少量を毎日食べることで、嬉しい効果が期待できるでしょう。みなさんも、ぜひ干し柿を生活に取り入れてみてください!
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よくある質問
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干し柿は身体に良い?(栄養と効能は?)
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干し柿に含まれる栄養素には、βカロテンやカリウム、食物繊維、タンニンなどがあります。食物繊維などは日本人が不足しがちな栄養素なので、干し柿を毎日食べることで栄養素を補えますね。干し柿の効能には、豊富な食物繊維による便秘解消効果や血糖値の急上昇を抑える効果、また塩分を排出するカリウムによる高血圧予防効果などがあります。
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干し柿は血圧を下げますか?
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干し柿の効能には、高血圧予防もあります。干し柿に豊富なカリウムは、余計な塩分(ナトリウム)と水分を体外に排出する効果があり、高血圧予防に効果がある栄養素です。WHOのガイドラインでも、生活習慣病の予防のために、カリウムを少なくとも1日3510mg以上摂取することが推奨されています。