なつめというフルーツをご存知ですか?なつめとは、中国を原産とする栄養たっぷりのフルーツ。現在では、干しナツメやドライフルーツに加工されて販売され、料理などに使われています。現地では生でも食べることがあるそうで、りんごのようなシャキッとした食感でほんのり酸味と甘みがあります。
そんななつめは、豊富な栄養素がたくさんあることで知られ、特に美容に嬉しい効果効能がたくさんあります。その他、花粉症にも効果があるとされ、知る人ぞ知る美容&健康食品として話題です。
今回は、なつめのに含まれる栄養やその美容効果、さらにおすすめの食べ方について、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から詳しく解説しましょう!
なつめとは?~原産や由来について~
なつめとは、クロウメモドキ科の落葉高木で、中国北部を原産地とするフルーツです。なつめは、夏に黄緑の花を咲かせ暗めの赤色をした楕円形の実を付けます。この実の部分が一般的になつめと呼ばれ、漢字では「棗」と書きます。初夏になって葉っぱから芽を出すことから、「夏芽=ナツメ」と呼ばれ始めたことが、名前の由来です。
なつめは豊富な栄養素を持ち、3000年以上前から健康に効果のあるものとして人々に親しまれてきました。メジャーなのは、乾燥させた「大棗(たいそう)」という干しなつめで、生薬や薬膳、また中国や韓国の料理に使用されています。大棗は、滋養・補血などに効果があるとして、葛根湯に含まれる成分の1つでもあります。
(※ちなみに、なつめとよく似た果実に「デーツ」がありますが、デーツはなつめやしという植物の果実です。名前はとても似ていますが、なつめとは全く違う果実なのでご注意を!)
なつめとデーツ(なつめやし)の)違いについては、こちらの記事も参考にしてみてください!↓↓
≪なつめとデーツ(なつめやし)は別物?その違いと特徴とは?≫
ナツメに含まれる栄養成分とは?
なつめは、古来から薬にも使われ「1日3粒食べると年齢が気にならない」と言われてきました。その理由はなつめに含まれる豊富な栄養です。ここで、なつめの主要な栄養成分をいくつかピックアップして紹介します。
腸内環境を改善する『食物繊維』
食物繊維は、腸内環境を整え、消化吸収を良くしたり便通を改善させる効果があります。
また、悪玉菌や有害物質を減らす効果も認められており生活習慣病の予防にも効果が期待されています。
干しなつめに含まれる食物繊維は、100gあたり12.5g。食物繊維が多く含まれるものとして代表的なごぼうでも、食物繊維量は100gあたり5.7gなので、なんとなつめにはごぼうの2倍以上の食物繊維が含まれていることになります。これはドライフルーツの中でもトップクラスです。
貧血予防に効果抜群の『鉄分』
鉄分は、女性がなりやすい貧血に効果がある成分です。体内にある鉄分の約6~7割は、赤血球に含まれる「ヘモグロビン」というタンパク質を構成しています。そのため鉄分が不足するとヘモグロビンが作られず、その結果貧血になってしまうのです。ヘモグロビンは、血液中で酸素を運搬するという重要な役割を持ちます。
干しなつめに含まれる鉄分は100gあたり1.5g。鉄分が多く含まれるものとして有名なプルーン(乾燥)でも鉄分は100gあたり1.0gなので、なつめにはプルーンの1.5倍の鉄分が含まれることになります。
健康維持に重要な働きをするビタミン『パントテン酸』
パントテン酸は、ビタミンB群の1種です。食事から取った炭水化物などの栄養素を代謝を促し、エネルギー産生を助ける働きがあります。その他にも善玉コレステロールを増やしたり、ホルモンや免疫抗体を作る働きなど、重要な働きを多く持っています。
【参考】パントテン酸の効果-わかさの秘密
特に女性には摂取してほしい『葉酸』
葉酸も、身体の働きを調整するビタミンの1種です。赤血球を作ったり遺伝子の合成に必要な成分とされています。そのため葉酸は、妊娠初期の女性にとって胎児の発達の点から特に重要とされます。妊娠初期に葉酸不足になると胎児の神経管がうまく発達せず、神経管閉鎖不全という状態になり、奇形や傷害を持ったり、最悪の場合死に至ることもあります。
2000年には厚生労働省から「妊娠の可能性がある年齢の女性等に対する葉酸摂取に関する通知」が出されています。
生薬としてのなつめの重要成分『サポニン』
様々な植物に含まれるサポニンという成分は、余分な脂肪の蓄積を抑える効果があります。また、サポニンの中でも様々な種類がありそれぞれ異なる効果を持ちますが、特になつめに含まれる「ジジフスサポニン」は、免疫機能を向上させてウイルスや菌から身体を守る働きをします。
丈夫な骨と歯に必要な『カルシウム』
カルシウムは、体内に最も多く含まれるミネラルであり、そのほとんどはリンというミネラルと結合して骨や歯を形成しています。女性に多い骨粗鬆症は、カルシウム不足により助長されます。いつまでも健康な身体を維持するためにも重要な成分です。
なつめには女性に嬉しい美容効果がたくさん!
なつめには健康のために重要な栄養成分が豊富に含まれていましたが、女性に嬉しい美容効果のある栄養もたっぷり含まれています。
ここからは、女性に嬉しい美容への効能効果について解説しましょう。
美肌&美髪効果
ビタミンB群の1種であるパントテン酸は、美容に効果的なビタミンCの働きを助ける役割をしています。このビタミンCは、お肌のハリや髪の毛のツヤに重要なコラーゲンを合成するのに重要な成分とされ、外的刺激に負けない肌を作る効能があります。
実際に、パントテン酸が紫外線による皮膚の日焼けを防ぐという研究結果も示されています。
ダイエット効果
なつめに含まれるサポニンは、余分な脂肪の蓄積を抑える効果があるとされており、肥満を予防する効能が期待できます。また、食物繊維が多く含まれ便秘を解消することから、ポッコリお腹の改善にも効果があったり、さらにカリウムも含まれることから、塩分とともに余分な水分を出してむくみを解消してくれます。
脂肪がつきにくく、便秘やむくみも解消できることから、なつめはきれいな身体を目指す人におすすめのフルーツと言えますよ。
健康への効果もばっちり!
なつめには鉄分やカルシウムが含まれているので、貧血の予防や、骨粗鬆症の予防といった健康面にも多くの効能を持ちます。その他にも、ホルモンを作るパントテン酸によってストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの働きを促し、ストレスへの抵抗力を高めたり、免疫抗体を作ることで風邪を引きにくくなったり、花粉症を軽減する効能もあります。
花粉症については、なつめに含まれるフルクトピラノサイドという成分が重要とされています。アレルギー反応を引き起こすIgE抗体の働きを抑えるため、花粉症改善への効果が期待されています。
【参考】パントテン酸の効果-わかさの秘密
なつめのおいしい食べ方
今回紹介するのはこちらの商品です。こちらは、単なる干しなつめである大棗(タイソウ)とは異なり、紅砂糖を使用してしっとりと仕上げたドライフルーツとなっています。そのためそのままでもおいしく食べることができますよ。
※ちなみに大棗は下の画像のようなものです。単に乾燥させた干しなつめのことを指し、生薬や中華料理などに使用されます。
おすすめの食べ方①そのままおつまみに
おすすめの食べ方の1つ目としては、そのまま食べておつまみにすることです。
これは干しなつめではできない、ドライフルーツならではの食べ方になります。温かい緑茶やほうじ茶、中国茶との相性が良く、健康的なおやつになりますよ。
ちなみに、なつめの美容成分をたくさん摂取したいとはいえ、ドライフルーツは砂糖が含まれているので、食べすぎには注意です。中国の言い伝え通り、1日3粒程度の摂取が妥当なラインでしょう。
おすすめの食べ方②ドリンクに
他のドライフルーツなどと一緒に、紅茶やお酒に入れてドリンクとして楽しむのもおすすめです。食材を選べば、健康や美容に効果のあるドリンクが手軽に完成します。特におすすめは、こちらの「薬膳ブランデー」。1日漬け込むことで、十分な甘さとなるのでおいしいですよ。
パンなどに入れても!
なつめのドライフルーツは、もともと甘さがありしっとりした食感であるため、レーズンのよう小さく刻んでパンやパウンドケーキに入れるのもおすすめです。「手づくりパンは面倒…」という方は、ホットケーキに混ぜるだけでもいつもと違った楽しみ方ができます。
なつめを生活に取り入れて美しく健康的な身体へ!
ここまで、なつめの栄養素や効果について解説してきました。「一日食三棗、終生不顕老」(毎日3個のナツメを食べれば、年齢が気にならない)といわれる理由をお分かりいただけたのではないでしょうか?美容だけでなく、病気の予防や花粉症の改善にまで効果のあるフルーツですので、ぜひ1日3粒のなつめ生活をはじめてみてくださいね。
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よくある質問
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乾燥なつめは一日何個食べるのよい?
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なつめは薬膳の世界では、「1日に3粒食べるだけで年を取らない」と言われ、楊貴妃も愛した果実と言われています。
紅砂糖というコクのある希少な砂糖を使ったドライなつめは少量でお茶請けに満足できるのでお薦めです。 -
乾燥なつめの効果的な食べ方
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乾燥なつめを食べるタイミングですが、寝る前に摂取するのがお薦め。疲労からくるストレスや不眠症にもきく成分が含まれているとなつめは言われ、寝る前にとることで安眠が期待されています。
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乾燥なつめの鉄分は?
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鉄分は、女性がなりやすい貧血に効果がある成分です。干しなつめに含まれる鉄分は100gあたり1.5g。鉄分が多く含まれるものとして有名なプルーン(乾燥)でも鉄分は100gあたり1.0gなので、なつめにはプルーンの1.5倍の鉄分が含まれることになります。
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なつめ茶は何に効きますか?
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なつめには鉄分やカルシウムが含まれているので、貧血の予防や、骨粗鬆症の予防といった健康面にも多くの効能を持ちます。その他にも、ホルモンを作るパントテン酸によってストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの働きを促し、ストレスへの抵抗力を高めたり、免疫抗体を作ることで風邪を引きにくくなったり、花粉症を軽減する効能もあります。さらに、脂肪の蓄積を抑えるサポニンも豊富で、ダイエット効果もあります。
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なつめ茶 1日何杯まで?
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なつめは薬膳の世界では、「1日に3粒食べるだけで年を取らない」と言われ、楊貴妃も愛した果実と言われています。乾燥なつめを煮だしていただくなつめ茶であれば、1日2~3杯が目安です。また、紅砂糖というコクのある希少な砂糖を使ったドライなつめは少量でお茶請けに満足できるのでお薦めです。
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なつめの更年期への効能は?
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干しなつめは漢方の「大棗」としても重宝され、滋養・補血などにに効果があるとされてきました。なつめには鉄分やカルシウムが含まれているので、更年期のイライラや、骨粗鬆症の予防に多くの効能を持ちます。その他にも、ホルモンを作るパントテン酸によってストレスをやわらげる副腎皮質ホルモンの働きを促し、ストレスへの抵抗力を高めてリラックスさせてくれるなどの効能も期待でき、更年期の体の不調に効果的です。