「なつめ」と「デーツ」って見た目がよく似ていますよね。さらにデーツは「ナツメヤシ」とも言われることがあり、名前も似ているので同じものと思っている人も多いのでは?しかし実は、全くの別物なのです。いったいその違いとは何でしょう?
どちらもドライフルーツとして出回っていることが多い食材ですが、なつめとデーツ(なつめやし)は種類も味も原産も違います。今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、その歴史や味、栄養成分の違いまでを解説します!
なつめとデーツは違うもの?!
まずはそれぞれの基本的な分類と特徴を見てみましょう。
なつめとは
なつめ[英名:Chinese date, Red dateなど]とは、中国北部を原産地とする果実で、クロウメモドキ科の落葉高木に赤い実を付けます。クロウメモドキ科とは、バラ類に属する植物で蔓(つる)のような葉を持つのが特徴です。長さは一般的なものでは2cm程度で、卵型~楕円形をしています。
デーツ(なつめやし)とは
デーツ[英名:date, date palmなど]は、ナツメヤシとも呼ばれるように、ヤシ科に分類されます。写真のように1度に多くの実が付き収穫されます。原産地は北アフリカから中東あたりと広く、昔から多くの人に食べられてきました。大きさは直径2-3cm、長さ3-7cmの楕円球型です。
※ちなみに「なつめ」と「ナツメグ」も名前が似ていますね。たまに同一のものと勘違いされる方がいますが、この2つも全くの別物です。ナツメグは、ニクズク科の植物の種子で、細かく挽いて香辛料に使用されます。
なつめとデーツの違いとは?
【原産や歴史】の違い
なつめもデーツも、古い歴史がありどちらも紀元前から食べられていました。中国を原産とするなつめは、どちらかというと低い温度を好んで育ちます。また、古来から生薬にも使われ、東洋の美女である楊貴妃も好んで食べていたそうです。朝鮮半島でも、宮中料理に利用されていました。
逆にデーツはアフリカや中東が原産地で、砂漠や乾燥地帯でも育つことができます。また、キリスト教中心のヨーロッパにも広く知られており、聖母マリアも食べていたと言われています。さらにエジプトのクレオパトラも愛していたそうです。それぞれ原産や育つ環境は全く違いますが、昔から女性に愛され食べられてきたことがわかりますね。
【味や食感】の違い
デーツは、なつめに比べると一回り大きく、食感がねっとりしているのが特徴です。甘さもしっかりしており「天然のキャンディー」と称されるほどです。なつめやしの木で成熟したもののうち、程よい水分量のもののみが、デーツのドライフルーツとして市場に出回るのです。
一方なつめは、生のまま食べるとりんごのようなシャキッとした食感で、甘みはほんのり、やや酸味もあります。実際には、デーツのように無加工でたべるのではなく、砂糖を使って甘露煮にしたり、乾燥させて生薬や料理に使用されることが多いです。
【栄養成分】の違い
なつめもデーツも、ビタミンやミネラルなどの栄養を多く含みますが、一部大きく差がある栄養素もあります。ここで、なつめとデーツを比較して差が大きい一部の成分量を表で比較してみましょう。
可食部100gあたり | なつめ | デーツ(なつめやし) |
エネルギー(kcal)(kcal) | 287 (37.8) |
266 (58.2) |
タンパク質(g) | 3.9 | 2.2 |
食物繊維(g) | 12.5 | 7.0 |
カリウム(mg) | 810 | 550 |
マグネシウム(mg) | 39 | 60 |
鉄(mg) | 1.5 | 0.8 |
βカロテン(µg) | 7 | 160 |
葉酸(µg) | 140 | 19 |
パントテン酸(mg) | 0.86 | 0.94 |
このように、なつめはタンパク質・食物繊維・カリウム・鉄・葉酸が特に豊富で、マグネシウム・βカロテンはデーツのほうが多く含まれていることがわかります。
【効果効能】の違い
なつめとデーツはどちらもミネラルやビタミンを含み、栄養素が似ている部分もあります。特に、ビタミンB5として知られるパントテン酸は同程度含んでおり、肌と髪を美しく保つ効果が期待できたり、健康を維持する効果もあります。ここで、それぞれに特有の効果効能を見ておきましょう。
[なつめに特徴的な効果効能]
●便通&腸内環境の改善
‥食物繊維が豊富で、便通を改善するとともに善玉菌を増やして腸内環境を整える
●アレルギー反応を抑える
‥フルクトピラノサイドという成分がアレルギー反応を引き起こすIgE抗体の働きを抑える
●むくみの解消
‥カリウムが豊富で、塩分とともに余分な水分を排出する
(その他のなつめの効果効能については、こちらの記事もご参考にどうぞ!↓↓)
≪「なつめ」が持つ美容効果で美肌&美髪へ!美味しく食べて美しく健康になろう!≫
[デーツに特徴的な効果効能]
●アンチエイジング効果
‥緑黄色野菜にも含まれるβカロテンは抗酸化作用が強く、細胞を若々しく保つ
●ストレス対策
‥マグネシウムが多く、自律神経を整える神経伝達物質の生成に役立つ
●ダイエット効果
‥甘さはしっかりしているが、GI値(食後血糖値の上昇を示す指標)が低く、血糖値の急上昇が抑えられる
(その他のデーツの効果効能については、こちらの記事もご参考にどうぞ!↓↓)
≪デーツ(なつめやし)が持つ栄養成分とは?健康や美容におすすめの効果もたっぷり!≫
なつめとデーツの美味しい食べ方
ここで、小島屋こだわりの商品とともにおすすめの食べ方を紹介しておきましょう。
おすすめのなつめとレシピ
まずはなつめです。なつめのドライフルーツといえば、乾燥させてサクサクした食感だったり、パサパサしている物も多いのですが、小島屋のなつめは砂糖を上品に用いてしっとりと仕上げています。食べやすくておすすめですよ。
なつめは生薬にも用いられ、血と気を補い滋養・補血に効果があるとされています。そこでおすすめするのがこちらの「薬膳ブランデー」です。薬膳といえば東洋医学における食養生の考えですが、身近な食材を使ってでも取り入れられます。なつめやショウガなどをブランデーに漬け込むことで、身体を温め血の巡りをよくするドリンクの出来上がりです。
おすすめのデーツとレシピ
続いてはデーツ(ナツメヤシ)です。実はデーツには、数百種もの種類があり特徴も様々。その中でも定番のものを中心に産地やグレードにこだわったおすすめ商品を仕入れています。もともと甘みがしっかりしているフルーツなので、もちろん砂糖は不使用。まさにデーツそのもののおいしさを実感していただけます。
(※デーツの種類については以下の記事もご参考にどうぞ↓↓)
≪デーツの種類や特徴を徹底比較!数あるデーツの中からおすすめデーツを紹介!美味しい食べ方も≫
デーツは、その甘さを生かしてスイーツに活用するのがおすすめです。ダイエットや血糖値が気になる方でも、スイーツを楽しみたいものですよね。こちらの「デーツバター」は、バターにデーツとくるみを練りこんだもの。作っておくとすぐに使えて便利ですよ。デーツとくるみの栄養も摂取できるので、健康にも◎でしょう。
デーツは1日何個まで
デーツの1日量は、20g~30gです。1日何個が適量かというと、1粒程度です。
食べ過ぎるとどうなる?と聞かれる事がありますが、食物繊維が豊富なので、適度な量は便通によいですが、食べすぎると便秘に繋がる場合もあります。
デーツは何に効くのか?と聞かれる事も多いですが、貧血予防、アンチエイジング効果が期待されています。
なつめとデーツの特徴を知り美味しく使い分けよう
なつめとデーツ(なつめやし)は、共通点もあるものの別物だということがお分かりいただけましたでしょうか?それぞれの特徴を理解し使い分けることで、より効果的に、より美味しく食べることができます。みなさんもぜひ食べ比べてみてくださいね!
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よくある質問
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ドライなつめ 一日何粒?
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なつめは薬膳の世界では、「1日に3粒食べるだけで年を取らない」と言われ、楊貴妃も愛した果実と言われています。
紅砂糖というコクのある希少な砂糖を使ったなつめ</a >は少量でお茶請けに満足できるのでお薦めです。 -
なつめとデーツは同じものですか?
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デーツとなつめは全くの別物です。
デーツはなつめやしとも呼ばれるため、なつめと同じだと勘違いされてる方も多いようです。
なつめは棗科の植物で、漢方薬などにも使われますが、デーツはヤシ科の植物で砂漠のキャンディーとも呼ばれるスーパーフードの一つです。 -
ドライナツメの効能は?
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なつめには食物繊維、カリウムが豊富に含まれています。食物繊維は便通の改善や腸内環境の整備に効果があると言われており、カリウムは余計な塩分を体外に排出する手助けをしてくれます。またアレルギー反応を引き起こすlgE抗体の働きを抑えるフルクトピラノサイドという成分が注目されています。
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デーツは一日何個まで?
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1日の摂取量は、20~30g(糖質換算約17g、カロリー換算約65kcal)程度までがよいでしょう。デーツの種類にもよりますが、健康維持目的であれば、1日1~3個程度が目安です。大粒の柔らかいデーツですと:キングソロモンデーツ。小粒で一般的なデーツですと、リグレットノアデーツなどがあります。
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デーツとプルーンの違いは何ですか?
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プルーンもデーツは、見た目が少し似ていますが、食感や味、栄養素が少し異なります。プルーンは水分が多めで柔らかく、すっきりした甘さで、カリウムやβカロテンが特に豊富です。デーツは水分がやや少なく弾力のある食感で、しっかりとした黒糖のような甘さがあり、マグネシウムやカルシウムが豊富です。