ドライいちじくは、便秘解消に効果があるとして最近人気のドライフルーツ。そんなドライいちじくの生産が多いのがトルコ。トルコ産ドライいちじくは、おやつにはもちろん、パン作りにも使いやすいので、ドライいちじく初心者の方にもおすすめですよ♪
今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、トルコ産ドライいちじくの特徴をたっぷり解説。おすすめの商品やレシピの紹介の他、海外産ならではの心配や疑問にもお答えしていますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
ドライいちじくの基礎知識
ドライフルーツの産地は?
ドライフルーツとは、フルーツを乾燥させ水分を飛ばすことで、長期保存できるように加工したものです。もともとは紀元前6000年頃、メソポタミアや古代エジプトで食べられ始めたのがきっかけとされています。ドライフルーツにすることで、味が凝縮され甘みも増すことが発見されました。
例えば最も古いドライフルーツであるデーツは、中東が起源として知られますが、このドライフルーツの和名は「なつめやし」。今ではデーツのドライフルーツは人気で、通販でも販売されています。今では、国産果物を使ったドライフルーツも多く、今回のテーマであるドライいちじくでは、一部ですが国産の商品も売られています。
イチジクはどこの国の果物?
ではドライいちじくの原材料、イチジクについて見ていきましょう。イチジクの原産国は、アラビア半島・トルコ付近です。今でもいちじくの生産国ランキングでは、トルコが1位ですよ。(ただ、後述しますが、海外産のドライいちじくには虫が入っていることもあるので、気になる方は食べ方に注意が必要かもしれません。)
逆に、いちじくの輸入国はカナダ・メキシコがトップとなっています。またいちじくは昔から日本国内でも栽培されており、現在のイチジクの名産地は、和歌山県と愛知県です。
ドライいちじくはどこ産のものが多い?
いちじくの原産国は今でいうトルコ付近が多いですが、いちじく自体はあまり日持ちがしない果物なので現地でもドライフルーツにして食べられることもあります。そのため、干しイチジクの産地もトルコなどアラビア半島付近に多く、加工されたドライいちじくが日本などに輸出されます。(最も生産の多いトルコ産の特徴については、後述します。)
そうして輸入されたドライいちじくが、カルディや業務スーパー、成城石井など、私たちの身近に来ているわけですね。
ドライいちじくは癌にも効果あり?
ドライフルーツには様々な効能があることで知られますが、ドライいちじくにも嬉しい効能があります。その1つは、癌の予防です。ドライイチジクの抗がん作用は、主に食物繊維による大腸がん予防効果とされています。
多くは、ドライいちじくの豊富な食物繊維によるもので、食物繊維が善玉菌のエサとなり、その善玉菌が腸内環境を整えることで、癌の予防になる、というわけです。
他にもドライいちじくの効能は、食物繊維による便秘の解消や糖尿病予防効果、さらに豊富なカリウムによる高血圧予防効果などが挙げられます。さらに食べ方に注意することで、ドライいちじくで痩せた!というようなダイエット効果も期待できるでしょう。
ちなみに『イチジク』を食べてはダメ!と言われたことがある方も多いかもしれません。実はこれは、皮に含まれるフィシンという酵素のせい。フィシンには消化を助ける効果がありますが、体質によっては触れることで手や口が痒くなる方もいます。いちじくは、人によっては食べ方に注意が必要だけれども、食べ過ぎなければ大丈夫、と言えるでしょう。
【参考】善玉菌を増やして大腸がんの予防を ‐オムロンヘルスケア
≪ドライフルーツとダイエットの関係は?!結局太るの?痩せるの?糖質やカロリー面からおすすめの食べ方を紹介≫
いちじくの違い~トルコ産とイラン産の違いは?
ドライいちじくの栄養や効果についての基礎知識がわかったところで、ドライいちじくの産地の違いを見てみましょう。今回は、ドライいちじくの中でもメジャーなトルコ産とイラン産のいちじくを見てみましょう。
トルコのイチジクの品種
ドライイチジクの世界ランキング1位のトルコ。中でも、トルコいちじくの産地は、エーゲ海に面するイズミール地方が有名です。トルコ産のドライイチジクの多くは、スミルナ種といい、トルコ内でもドライフルーツとして消費されることが多い品種です。
木に生った実は樹上で乾燥され、地面に落ちたものが収穫されます。これが、基本的なドライいちじくの作り方です。
また、トルコのスミルナ種が、日本国産のものと大きく異なるのは、雌雄異株であること。後述しますが、受粉のためには花粉を媒介する昆虫の役割が重要となります。
トルコ産いちじくの特徴は?
国産のいちじくは皮が赤いモノが多いですが、トルコ産のイチジクは、先述したスミルナという品種で、皮が白っぽい色の「白いちじく」です。白いちじくの特徴は、皮が薄く甘味が強いこと。果肉が多くふっくらしているのが特徴です。
トルコ産ドライいちじくは、加工方法も国産のものとは異なり、皮ごと果実のまま木の上で乾燥されます。そのため、実がやわらかく上品な味となっているのですね。
イラン産イチジクの特徴は?
イラン産のイチジクも多くは白いちじく。ただし比較的小粒なので、ドライフルーツにするとトルコ産よりもやや固い食感ですが、コロッとしたかわいらしいフォルムも魅力ですね。こちらも、トルコ産ドライいちじくと同様、樹上で自然乾燥されるため、自然な風味とうまみが感じられます。
いちじくについての心配あるある
美味しさが詰まっているトルコ産やイラン産のドライいちじくですが、海外産という理由もあり様々な心配をお持ちの方もいるかもしれません。ここではそれらについて解説しておきます。
トルコ産いちじくは放射能が心配?
黒海を挟んでウクライナに面するトルコ。その地理的位置から、旧ソ連邦でのチェルノブイリ原発事故の影響を多少なりとも受けています。1986年の事故直後は、この周辺地域から日本に輸入された食品から、放射線物質が確認されることがあり、トルコからの輸入物も食品安全性を問われていました。
日本では食品衛生法に基づき、輸入食品については検疫所での放射能検査がされています。事故直後から数年は、トルコ産パスタやオリーブオイルの安全性が一時期疑われたこともあったようです。しかし、1987年以降日本において放射能暫定限度を超えた輸入食品の内訳には、パスタもいちじくも入っていません。
民間でも現在、トルコ産パスタやいちじくについて、放射性物質を調査しているところがありますが、ほとんど不検出だそうです。
【参考】埼玉県における流通食品(乾燥果実)の放射能調査-埼玉県衛生研究所報(2020)
ノヴァの有機干しいちじく -グリーンコープ 商品情報紹介
トルコ産スパゲティ -座間放射能測定室
ドライいちじくには虫が入っている?
トルコ産など海外産のドライいちじくには、まれに虫が入っていることがあります。しかし、イチジクにつく虫は害虫ではなく、いちじくの受粉を助ける「イチジクコバチ」という益虫。海外のいちじくには雄株と雌株がありますが、イチジクコバチは外からは見えないいちじくの花に入って、卵を生みます。同時に、いちじくを受粉させるのです。
基本的には、卵から生まれた虫が大きくなるまでに実を食べてしまうのですが、まれに実を食べきらないまま収穫され、いちじくに虫が入ることがあるようです。
ドライいちじくは一般的に果実をそのまま干したものが多く、虫の有無を中まで検品できないのが実情です。ただドライイチジクにつく虫は、基本的には食べても大丈夫とされています。気になる方は切って目視で確認するしかありませんが、自然の摂理なので、どうしても予防できない部分でもありますね。
おすすめドライいちじくはどこで買うべき?
ドライフルーツ専門店のドライいちじく
ドライフルーツの専門店・小島屋では、トルコ・イラン・ギリシャ・アメリカという4大産地のドライいちじくをご用意!一番人気は、トルコ産の大粒ふっくらドライいちじくです。原産地であるトルコ産の中でも、高地栽培で作られた特に品質の良いものを取り扱っており、完全無添加の自然な美味しさがおすすめです。
ドライいちじくはカルディでも買える
ドライいちじくは、カルディでも購入することができます。カルディでは、ドライいちじくだけでも数種類の商品があり、在庫状況にもよりますが、オーガニックのものや、ソフトタイプのものが購入できます。またカットタイプのドライいちじくも、カルディに売られているので、どうしても虫が心配という方はそちらを選ぶのもよいでしょう。
カルディにもドライいちじくのおすすめは多いですが、他にも業務スーパーや成城石井でも購入できます。また、やわらかいトルコ産ドライいちじくはパンやケーキの具材にも使いやすく、製パン材料を取り扱う富澤商店などでも購入できますよ。
ドライいちじくを使ったおすすめレシピ
トルコ産ドライいちじくのジャム
トルコでは様々な種類のジャムが売られており、野菜のジャムも販売されているんだとか。もちろん、ドライいちじくもジャムに加工されます。
日本でもいちじくジャムは、アオハタから販売されるほど人気で、もちろんカルディや成城石井などでもゲットできます。特に、カルディのいちじくジャムでおすすめなのが、マルレ(MARRE)のトルコ産ドライいちじくを使用した「fig jam」。品切れ中となっているところも多いですが、要チェックの商品です。
また、ドライいちじくを材料に、簡単に手作りジャムを楽しむこともできます。作り方は、細かく切ったドライいちじくを同量の水でふやかしながら煮詰めるだけ!ドライいちじくは甘さが十分あるので、砂糖不使用でも甘みのしっかりしたジャムを手作りできますよ♪手作りだととても健康的なジャムが作れますので、ぜひお試しください!
ドライいちじくのカナッペ
こちらは赤ワインのお供におすすめのカナッペのレシピです。カナッペとは、薄切りのパンやクラッカーの上に具材をのせて楽しむ前菜のこと。ドライいちじくの甘さと生ハムのしょっぱさがとても合いますよ♪
ドライいちじくを楽しんでみよう!
産地によって特徴のあるドライいちじく。特にふっくら大粒でやわらかいトルコ産ドライいちじくは、甘味もしっかりしており初心者の方にもおすすめです。また、ドライいちじくには健康面や美容面での効能もありますので、ぜひ毎日のおやつにも取り入れてみてくださいね♪
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よくある質問
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イチジクの抗がん作用は?
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ドライイチジクには、大腸がんの予防効果が期待されています。これはドライイチジクの豊富な食物繊維によるもので、食物繊維が善玉菌のエサとなり、その善玉菌が腸内環境を整えることで、大腸がんの予防になるとされています。
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イチジクはどんな病気に効きますか?
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ドライイチジクには、食物繊維が豊富ですが、中でも水溶性と不溶性のバランスが取れているのが特徴です。そのため、便秘の解消だけでなく糖尿病予防効果もより期待できます。さらに、豊富なカリウムが含まれるため、高血圧を予防する効果もあります。
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イチジクは1日何個まで?
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ドライいちじくは100gあたりのカロリーが300kcal近くあり、食べ過ぎるとカロリーや糖質過多になるリスクがあります。農林水産省が食育として勧めるおやつのカロリーは1日200kcal以内。ドライいちじくだと67g程度まで、つまりドライいちじく3~4個分程度です。他の間食を考慮すると、具体的な摂取量の目安としては20~30g、つまり1~2個に留めておきましょう。