ビタミンEや食物繊維を豊富に含み、完全栄養食との呼び声も高いアーモンド。今回は、そんなナッツの代表ともいえるアーモンドの主な生産地についてご紹介します。世界の主な生産国や、日本での栽培の歴史など、アーモンドの魅力を掘り下げていきましょう。
また、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋がおすすめするアーモンド商品もご紹介しますので、チェックしてくださいね!
世界のアーモンド主要生産国ランキングと生産量
2022年の世界全体のアーモンド生産量は363万トンで、その50%以上がアメリカで生産されたものです。
生産国 | 生産量(万トン) | 世界シェア(%) | |
1位 | アメリカ | 185.8 | 51.1 |
2位 | オーストラリア | 36.0 | 9.9 |
3位 | スペイン | 24.6 | 6.7 |
4位 | トルコ | 19.0 | 5.2 |
5位 | モロッコ | 17.6 | 4.8 |
その他 | ― | 80.0 | 22.0 |
参考:OREGON HCERRY GROWERS アーモンド統計情報(FAO統計)
世界でもアーモンドの生産量がずば抜けて多いのは、アメリカです。アメリカ産アーモンドは全てカリフォルニア州で栽培されており、世界を代表するアーモンドの産地と言ってもよいでしょう。
日本への輸入量は?
日本へのアーモンドの国別の輸入量を見てみましょう。
アメリカ | イタリア | オーストラリア | スペイン | その他 | |
輸入量(トン) | 40035.1 | 293.1 | 171.3 | 75.4 | 0.3 |
割合(%) | 98.6 | 0.7 | 0.4 | 0.2 | ― |
参考:OREGON HCERRY GROWERS アーモンド統計情報(FAO統計)
日本への輸入は、約98%がアメリカからです。スーパーで見かけるアーモンドや飲食店で口にするアーモンドは、ほとんどアメリカ産のものを食べていると思ってよいでしょう。
カリフォルニアでは、収穫量の約30%をアメリカ国内で消費し、それ以外が海外に輸出されます。(※)
イタリアは、世界第7位のアーモンド生産国です。特にシチリアは上質なアーモンドの生産で知られており、ヨーロッパの中でもアーモンド栽培に長い歴史のある地域です。
※参考:カリフォルニア・アーモンド協会
アーモンドの栽培方法や気象条件は?
アーモンドは桃やあんずなどの仲間で、植物学的には「果物」に分類されます。桃やあんずは果物の「果肉」を食べるのに対して、アーモンドは種の中の「仁(じん)」と呼ばれる部分を食べているということです。
日ごろからあたり前に口にしているアーモンドですが、その歴史は深く、紀元前4000年ごろにはすでにメソポタミアなどの古代文明で食べられていたそうです。その後、人類が樹木の栽培をするようになると同時に地中海沿岸地域から世界に広がっていったとされています。
アメリカでの栽培がさかんになったのは18世紀以降で、1840年代からカリフォルニア州だけで本格的な生産が始まったといわれています。
ここからは、カリフォルニアの農場でのアーモンドの栽培方法や、アーモンド栽培に適した気象条件といわれている地中海性気候についてみてみましょう。
アーモンドの栽培方法は?
カリフォルニアのアーモンド農場では、2〜3月ごろに桜そっくりのピンク色のアーモンドの花が咲きます。アーモンドは自分で受粉ができないため、ミツバチの力を借りて受粉をおこないます。
アーモンドの花
その後、8月中旬ごろまで果肉を成熟させます。アーモンドは、果皮に覆われた殻の中で成長し、夏になって実が成熟すると、果皮が乾燥して割れ、アーモンドを包んでいる殻が現れます。
実が成熟しきった8月中旬から10月までがアーモンドの収穫期です。カリフォルニアの農園では「シェイカー」と呼ばれる専用の機械で、木の幹をゆすってアーモンドの実を豪快に落とします。
落ちた実を日光で自然乾燥させたのち、別の機械で木くずや落ち葉を飛ばしながら、アーモンドだけを集め、工場で選別・加工などをおこない、出荷されます。
アーモンドに適した気象条件は?海外産地の特徴
アーモンドは生育期間中に乾燥する温暖な気候条件を好む植物です。カリフォルニアや地中海沿岸部の気候は温帯気候のひとつで、夏は雨が少なく高温で乾燥し、冬は雨が多く降り湿った気候という特徴があります。
特に、夏の降水量は1か月に30㎜未満と非常に少なく、空気が乾燥します。
アーモンドの生育に最適な温度は15~32℃で、乾燥には強い反面、寒さや霜にはとても弱いため、年間を通して温暖で、夏場に特に空気が乾燥する地中海性気候は、アーモンドにとっては楽園のような環境ですね。
日本でもアーモンドは栽培されている!
アーモンドは、オリーブやレモンと同じ気候条件を好むため、日本でも栽培がおこなわれています。
主な生産地は、山形県や鹿児島県、埼玉県などですが、摘果を必要とせず、品質管理に手間がかからないうえに、乾燥させることで1年中販売可能なアーモンド栽培は、各地域から注目を集めています。
しかし、日本でのアーモンド栽培には課題もあり、アーモンドに最もよい立地条件を満たすには、工夫も必要です。
アーモンドは乾燥を好むため、水はけのよい土壌や、梅雨時期の病害虫対策については、諸外国のアーモンド栽培に比べて気を遣うところでしょう。また、寒さに弱いため、防寒対策も必要になります。
定植してから実を収穫できるまでに5年はかかるといわれるアーモンドですが、管理のしやすさから遊休農地や耕作放棄地対策にも期待される産業です。
アーモンドの気になる安全性は?
輸入食品って農薬や添加物は大丈夫?海外と日本の基準が違うのは不安・・・という声を耳にすることがあります。しかし、日本への輸入量が最も多いカリフォルニアでは、アーモンドに使用する農薬に厳しい基準が設けられていたり、世界中の人が安心して口にできるような製造の規定やプロセスが定型化されていたりします。
ここからは、輸入アーモンドにありがちな不安について詳しくみていきましょう。
また、製造に一切の添加物を使用しない無添加アーモンドについてもご紹介します。小島屋おすすめの無添加アーモンドは、製造に塩や油を使用せず、アーモンド本来の濃厚なうまみをそのまま楽しめる商品ばかりです。そちらもあわせてチェックしてくださいね!
農薬?添加物?カビ?
●農薬・・・アメリカの農薬使用は、環境保護庁(EPA)やカリフォルニア州農薬規制局(CDPR)によって厳しく制限されています。
市場に出回るのは、これらの規定を満たした食品のみです。また、ポストハーベストといった収穫後の防虫処理についても、定められた規定があり、農薬として残留しない薬剤を使用することになっています。
●添加物・・・アーモンドの主な添加物といえば、ローストする際に使用する「油」と「食塩」です。
油は、加熱の際に表面をコーティングして、ナッツの水分が熱で飛んでひび割れするのを防ぎます。食塩を加えるのはナッツのうまみを引き出し、そのままでも美味しく食べられる工夫によるものですが、健康志向の高まりにより食塩不使用の製品も多く出回るようになりました。
●カビ・・・アーモンドのカビ毒として最も懸念されているのは「アフラトキシン」です。アフラトキシンは特定のカビが生成する化学物質で、発がん性のある猛毒です。そう聞くと、アーモンドを食べるのが少し怖くなってしまいますね。
しかし、輸入の際に検疫所で検査がおこなわれ、カビが発生している製品は廃棄されるため、安心して口にして大丈夫です。
アフラトキシンを心配するのは、ご家庭での保存方法です。開封後はできるだけ早く食べたり、空気を抜き、冷蔵庫などの涼しい場所で保管することを心がけましょう。
おすすめは無添加アーモンド
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無添加アーモンドの特徴や効能については、こちらの記事もあわせてチェック!
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アーモンドの栄養素や健康効果は?
アーモンドは良質な脂肪酸やビタミンEを豊富に含み、ダイエットや健康維持に取り入れることで多くの効果が期待できます。
<アーモンドの効能>
●便秘解消効果
●貧血の予防効果
●生活習慣病予防効果(糖尿病・心血管疾患など)
●血行促進
●アンチエイジング・美肌効果
アーモンドは糖質が少ないことから、糖質制限ダイエットでも注目を集めています。ただし、脂質が多く、カロリーが高い食品であるため、適量を守って食べることがおすすめです。
アーモンドを食事や間食でとる場合、1日20~25粒(200kcal弱)片手のひらに乗る程度を目安にしましょう♪
アーモンドのもっと詳しい健康効果については、こちらの記事もご覧ください。
アーモンドの効果で健康に!きれいにおいしく。効果的な食べ方も紹介!
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まとめ
美容や健康に効果が高く、世界中で人気のアーモンド。世界に流通するアーモンドの50%以上が、生育に最適な気候を持つアメリカ(カリフォルニア州)で生産されています。日本でもアーモンド栽培に注目が集まっており、今後の国産アーモンドに期待が持てますね。
今回ご紹介したアーモンドの知識で、みなさまがよりアーモンドの魅力を楽しめますように♪
#ナッツ #アーモンド #産地 #無添加