便秘に効く食べ物や栄養素といえば、何を思い浮かべますか?便秘に効果があるものといえば、ごぼうなどに含まれる「食物繊維」ですよね!実はそれだけでなく、便秘解消には適切な脂質も重要です。そこでおすすめなのがナッツ。ナッツは食物繊維と良質な脂質がたっぷりで、便秘に効果があるのです。
しかし、”ナッツは脂肪が多くて消化に悪いから便秘になる”といったイメージを持っている人が多いのも事実。そこで今回は、ナッツの便秘解消効果とそのメカニズムについて、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から解説していきたいと思います!
便秘の3つのタイプとは?
多くの便秘は、生活習慣や食生活の乱れ、ストレスによって起こります。これらが原因で、大腸の機能が低下する便秘を機能性便秘と言い、その中でも3つのタイプに分けられます。まずはこの3種類について説明しておきます。
弛緩性便秘
弛緩性(しかんせい)便秘は、腸管の緊張が緩むことで、腸の運動が起こらず便が滞ってしまうタイプの便秘です。日本人の便秘の3分の2が弛緩性便秘とされており、最も多い原因になります。さらに便が腸内に長く留まってどんどん水分が吸収され硬くなってしまうと、さらに厄介な便秘に進行してしまいます。
けいれん性便秘
けいれん性便秘は、腸が緊張して腸の運動がうまく続かないことが原因となって起こる便秘です。主にストレスが原因とされ、うさぎのフンのようなコロコロ便になるのが特徴です。
直腸性便秘
直腸性便秘とは、習慣性便秘とも呼ばれます。便意を我慢する習慣によって、直腸に便があっても排便の反射が起こらず、直腸に便が停滞してしまうタイプです。痔や恥ずかしさ、トイレのタイミングが合わないなどの理由で排便を我慢する人に多い便秘です。
ナッツは弛緩性便秘に効果アリ
この3つのタイプの便秘のうち主にナッツが効果を発揮するのは、最も多い弛緩性便秘です。ここからは、その効果の理由について解説します。
理由①腸を刺激する
ナッツに含まれる栄養素の中で、腸の刺激に重要な成分は食物繊維と脂質(不飽和脂肪酸)です。この2つの栄養素は、ほとんどのナッツに含まれています。
まず食物繊維は、不溶性と水溶性に大別できます。ナッツに多く含まれるのは不溶性食物繊維であり、これには①腸内で水分を吸収して大きく膨らみ便を形成する働きと、②腸を刺激して腸の運動を活発にする働きがあります。
また、脂質の中でも特にオレイン酸といった一価不飽和脂肪酸は、小腸で吸収されにくく、大腸に届いて腸の運動を活発にするという効果があります。
理由②整腸作用がある
便秘解消には腸の刺激はもちろんですが、腸内の環境を整える整腸作用も大切になります。腸内環境を左右するのは、腸に棲みつく腸内細菌です。この腸内細菌には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌(善玉菌/悪玉菌の優勢な方に味方する)があります。
良い腸内環境とは、善玉菌が優勢の状態です。悪玉菌が増えると、毒性物質を出して腸の運動を麻痺させたり、逆にこの有害物質を排出するために腸が過剰に動いて下痢になったりします。さらに悪玉菌が増えると、有害物質が全身に回って肌荒れを起こすこともあります。
善玉菌を増やすためには、善玉菌のエサとなる食物繊維を摂取することが重要です。このように、ナッツに豊富な食物繊維は、腸を刺激する働きだけでなく、整腸作用もあることがわかりますね。
便秘解消におすすめのナッツ3選!
ここまでナッツが便秘解消に効果を発揮するメカニズムについて見てきましたが、ここで便秘の解消や予防に効果的なおすすめナッツを3種類、紹介しておきます。
【おすすめナッツ①】アーモンド
ナッツの定番でもあるアーモンドは、ナッツの中でもダントツの食物繊維を含んでいます。またオレイン酸も多く、便秘解消・整腸作用に嬉しいナッツと言えます。
(※アーモンドのその他の栄養素、効果については以下の記事もご参考にどうぞ↓↓)
≪アーモンドの効果で健康に!アンチエイジングや美容にも効能が?効果的な食べ方も紹介!≫
【おすすめナッツ②】くるみ
くるみも、比較的食物繊維が多いナッツです。さらに、くるみに特に豊富なオメガ3脂肪酸が腸内環境を整える効果に関与することが研究で示唆されています。
【参考】くるみの摂取が腸内の善玉菌増加を促進 カリフォルニアくるみ協会
(※くるみのその他の栄養素、効果については以下の記事もご参考にどうぞ↓↓)
≪くるみに秘められた嬉しい効果効能とは!?ダイエットや健康におすすめ!効果を引き出すくるみの選び方も!≫
【おすすめナッツ③】ピスタチオ
ピスタチオにも、食物繊維が豊富です。オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸も多く、便秘解消や整腸作用に嬉しいですね。また、便秘中は代謝が悪くなりがちですが、ピスタチオは代謝を促すビタミンB群が豊富なのも魅力でしょう。
(※ピスタチオのその他の栄養素、効果については以下の記事もご参考にどうぞ↓↓)
≪ピスタチオは美容パワーたっぷり!女性に嬉しい効果でキレイと健康をゲットしよう!選び方も!≫
便秘を解消するための食べ方
ナッツは、ただやみくもに食べるだけでは便秘解消の効果は得られません。食べるときのポイントをご紹介しましょう。
1日の摂取量を意識する
まずは摂取量についてです。どんな栄養素でも、摂りすぎると良くない影響があるものです。ナッツは脂質を含みカロリーが高いので、食べ過ぎるとカロリーオーバーとなる可能性があります。また食物繊維を摂りすぎると、急激に腸を動かして腹痛を起こしたり、逆に便秘を悪化させることもあるので注意が必要です。
そのため、1日の摂取量は25g=片手に一杯くらいを目安にしましょう。それぞれのナッツ単体であれば、以下が目安です。
・アーモンド:1日23粒
・くるみ :1日10粒
・ピスタチオ:1日40粒
その他のナッツの摂取量については、以下の記事をご覧ください↓↓
≪ナッツの1日の適量はどのくらい?おやつはナッツに決まり!適正量のナッツで美味しく健康に!≫
食べ合わせを工夫する
便秘の解消には、ナッツとの食べ合わせを工夫することも重要です。食物繊維や脂質の他にも、ヨーグルトなどの発酵食品や、プルーン・梅干しなどの有機酸、腸で発酵しやすい糖分も重要であり、これらは善玉菌を増やして整腸作用に関わります。ここで、おすすめのレシピを紹介しましょう。
こちらは、ナッツを使ったクッキー。レーズンの代わりにプルーンを使うと、便秘解消効果が高まります。さらに、小麦粉を全粒粉に変えると食物繊維量をアップさせることができるのでおすすめですよ。
こちらは、ナッツたっぷりのグラノーラ。糖分は、オリゴ糖が豊富なはちみつなどを使うと良いでしょう。そのまま食べるものよいですが、牛乳やヨーグルトと合わせて水分や乳酸菌を一緒に摂取すると、整腸作用が高まりますよ。
ナッツを食べて便秘を解消しよう!
便秘には生活習慣やストレス・食習慣など様々な原因がありますが、どんな理由であれ、普段摂取している栄養を見直すことが重要です。ナッツは、腸を動かすだけでなく整腸作用にも効果のある栄養素が豊富なので、お腹の不調を感じたらぜひ、ナッツを生活に摂り入れてみてください♪
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