「ナッツ」と聞いて、みなさんが思い浮かべるものは何でしょう?アーモンド、くるみ、カシューナッツ・・・実際に挙げてみるとパンやスイーツを通して、みなさんも意外と頻繁に口にしていると思います。しかし「ナッツそのもの」を食べているという方は少ないのではないでしょうか?
(そもそもナッツとは何?豆とは違うもの?についてはこちらの記事をご参照ください↓)
≪ナッツとはそもそも何か!?意外と知らないナッツの種類や特徴を解説!≫
ナッツ類は、脂質が多くカロリーが高いというイメージを持たれていましたが、最近ナッツの持つ栄養素が話題となり、そのキーワードである「抗酸化」と「抗糖化」作用が注目を浴びています。今やナッツは、避けるべき食材ではなく、むしろ「食べ過ぎる」べき食材になりつつあるのです。
今回は「ナッツを食べること」にフォーカスを当て、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、じっくり解説していきましょう!小島屋では、71種類ものこだわりのナッツ類をご用意しておりますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
ナッツ効果のカギ「抗酸化」と「抗糖化」とは?
ナッツが健康や美容分野で注目されている理由として、「抗酸化」と「抗糖化」の作用をもつことが挙げられます。具体的にどのような作用なのか見ていきましょう。
「抗酸化」とは~身体のさびつきを防ぐ!~
「抗酸化」や「抗酸化物質」という言葉を聞いたことはありますか?最近はテレビなどでも話題になっているので、「健康に良いこと」「細胞の酸化を防いでさび付きを予防すること」など、なんとなくのイメージは掴めている人も多いでしょう。
鉄が酸化してさびてしまうように、身体も酸化するリスクがあります。身体に取り込まれた酸素の一部は、強い酸化力をもつ「活性酸素」になり免疫に関する機能などを持ちますが、増えすぎたは活性酸素は細胞を傷つけ、酸化させてしまうのです。
紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、酸化したものの摂取などの生活上の刺激は、「酸化ストレス」となって活性酸素を増加させます。すると細胞や体内の脂質までもを酸化させ過酸化脂質を作り、これが動脈硬化・がん・老化を引き起こすのです。
この活性酸素ができるのを防いだり、減らしたりするのが抗酸化物質であり、それらがもつ作用を抗酸化作用というわけです。抗酸化成分により、身体のさびつきを軽減し、美肌に導くアンチエイジング効果があるとされているので、美容や健康のの分野で大注目の成分なのです。
「抗糖化」とは~血糖値の上昇を防ぐ!~
「糖化」も、老化に関わる因子として最近話題になっているキーワードです。糖化とは、体内で糖とたんぱく質が結びつき加熱されることによって糖化最終生成物(AGE)が作られることを言います。このAGEが血管にたまると動脈硬化を起こしたり、目にたまると白内障の要因になったりなど、身体のいたるところに影響が出てしまうのです。
AGEができるのは、血液中の糖が過剰になったとき(つまり血糖値が急に上がったとき)です。つまり、抗糖化のポイントは食後の血糖値の上昇を緩やかにすることになります。ここで、ナッツの代表であるアーモンドと血糖値について興味深い研究を紹介しておきましょう。
~実証!アーモンドの食後血糖値上昇抑制効果~(グリコ健康科学研究所)
これは民間研究機関での動物実験の結果ではありますが、アーモンドと糖質を同時に摂取した場合、摂取後の血糖値の上昇が抑えられたという結果が出ています。アーモンドには、抗糖化作用があるということになりますね。
ナッツは健康&美容パワーを持つ栄養素がたくさん!
ナッツには、抗酸化作用や抗糖化作用を持つ栄養素がたくさん含まれ、健康や美容にバツグンの効果が期待されています。今回は、ナッツ類に多く含まれる代表的な栄養素を紹介します。
便通改善だけじゃない!?『食物繊維』
アーモンドやくるみなどのナッツ類には、食物繊維が豊富です。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、ナッツ類に多いのは主に不溶性食物繊維です。これは腸内で水分を含んで大きくなり、腸の動きを活発化して便通をよくしてくれます。また腸の善玉菌を増やして腸内環境を整える効果もあります。
(※ナッツの便秘解消効果については以下の記事もご参照ください↓↓)
≪ナッツは便秘の解消におすすめ!整腸作用などお腹に嬉しい理由を解説!便秘に効くナッツ3選も≫
もちろん、割合としては少ないものの水溶性食物繊維も含まれています。これは胃腸をゆっくり移動し、糖質の吸収を緩やかにしてくれる働きがあり、こちらも今注目の効果です。
脂質だけど健康の味方!『オレイン酸』
オレイン酸は、不飽和脂肪酸の1種です。不飽和脂肪酸は植物や魚の油に多く含まれ、体内で合成できない必須脂肪酸であるために食事で摂取する必要があります。健康維持の効果も多く、脂肪だからといって避けるべきでない栄養素です。
中でもオレイン酸はアーモンドに多く含まれ、ナッツ類の中でも含有量はトップレベルです。酸化されにくい特徴を持ち、代謝を促進したりコレステロールを抑える働きがあります。
(※ナッツのコレステロール・中性脂肪への効果については、以下の記事もどうぞ↓↓)
≪中性脂肪が気になったら…ナッツがおすすめ!コレステロールを下げる方法とおすすめの食べ物のご紹介≫
【参考】脂肪酸のはたらき-日本植物油協会
抗酸化ビタミンの1つ『ビタミンE』
ビタミンEは、抗酸化ビタミンといわれるビタミンA・C・Eの1つであり、強い抗酸化作用があります。アーモンドに含まれるビタミンEには、抗酸化作用のほか、生活習慣病などの病気の原因となる過酸化脂質の生成を抑える働きもあります。
さまざまな種類の『ミネラル』もたっぷり!
ミネラルには様々な種類がありますが、どれも体内で合成できない栄養素なので、食事などからバランスよく摂取する必要があります。例えばアーモンドに含まれる代表的なミネラルには、カルシウム・カリウム・マグネシウムなどがあります。
カルシウムは骨や歯の形成に必要な成分として有名ですね。カリウムは塩分とともに余分な水分を排出しむくみを解消する役割を持っています。最後に、あまり知られていないのがマグネシウムです。カルシウムとともに骨に含まれる成分で、体内の様々な代謝機能にも関わる重要な成分なのです。
(カルシウムが多いナッツはこちら/マグネシウムが多いナッツはこちら/鉄分が多いナッツはこちら/亜鉛が多いナッツはこちら)
ナッツの摂取量~1日に食べるにはどの位がおすすめ?~
最近ナッツは、積極的に食べるべきものとして話題ですが、ナッツ類は脂質が多い分高カロリーなので度を越えた食べ過ぎはおすすめできません。ナッツの代表として、アーモンド、くるみ、カシューナッツのおすすめの1日あたりの摂取量を紹介しておきます。
アーモンドは1日何粒?
アメリカ・カリフォルニアが世界最大の産地であるアーモンド。粒が大きく食べ応えのあるナッツですね。お菓子などにもよく使われついつい食べてしまいますが、アーモンド1日の摂取量の目安としては20粒程度がおすすめです。
厚生労働省が推奨するおやつの目安は200kcalです。アーモンドは20粒(=約20g)で120kcalほどのカロリーとなるので、他の間食も考慮に入れるとおやつにはちょうど良い量となるでしょう。また脂溶性ビタミンであるビタミンEは、水溶性のものよりも身体にたまりやすいです。といってもアーモンド20粒程度なら全く問題はないです。過度に食べても適度に排出される機構はあるのでそこまで気にする必要はないですが、急激にたくさん食べるのは控えたほうが良いでしょう。
くるみは1日何粒?
くるみの1日のおすすめ摂取量は、7~10粒とされます。目安の理由としては、くるみ約30gで1日分の不飽和脂肪酸が摂れるからです。1粒が3~4gなので、30gだとひとつかみ程度の7~10粒となるのです。しかし、くるみは1粒=約27kcalと高カロリーなので、10粒ではおやつの目安総カロリーを越えてしまいます。そのため料理にも入れるの工夫をして使用するのがおすすめです。
ちなみにくるみの原産はイランです。現在も、中国・アメリカに次いで3位のくるみ生産量を誇ります。
【参考】カロリーSlism-くるみ
カシューナッツは1日何粒?
西インド諸島を原産地とするカシューナッツのおすすめ摂取量は、1日10~20粒です。カシューナッツは10粒(=約15g)で90kcal。おやつの目安の約半分ですね。そのため、どれだけ食べても20粒を限度にして起きましょう。
以上は、アーモンド、くるみ、カシューナッツを単体で食べた時の摂取量ですので注意してください。組み合わせて摂取するときは、合計25g前後がおすすめです。手のひらに軽く1杯くらいの量になりますよ。他のナッツの適量など、詳しくは以下の記事もどうぞ↓↓
≪ナッツの1日の適量はどのくらい?おやつはナッツに決まり!適正量のナッツで美味しく健康に!≫
効果を最大限引き出すアーモンドの食べ方&おすすめの食事法
ナッツに含まれる栄養素が持つ美容や健康パワーについて紹介してきましたが、ここからは特にアーモンドについて、おすすめの食べ方や選び方を解説しましょう。
食事のポイント
アーモンドを糖質と同時に食べるとよいという研究結果もあるように、料理やお菓子と組み合わせて使うのが良いでしょう。またその際は、アーモンドの抗糖化作用を存分に引き出すためにも、食物繊維を意識するのが大切です。食事時は、野菜など食物繊維の多いものをまず最初に食べることで、より抗糖化に効果が期待できます。
アーモンドの選び方も重要?!
アーモンドはスーパーでも市販されていますが、加工の仕方により種類が異なります。ざっくり分けて、以下の3つの種類があります。
・生アーモンド:消化があまりよくないが、ローフードにおすすめ。主に料理などへ加工して使う。
・ローストアーモンド:加熱、ロースト、焙煎をして、そのまま食べやすくしたもの。油の使用/不使用や食塩の使用/不使用などさらに種類がある。(アンチエイジングなど美容・健康目的であれば、無油・無塩の素焼きアーモンドがおすすめ!)
・殻付きアーモンド:殻の上からローストするため、アーモンドの薄皮の苦味が出ず、まろやかな味わいになる。
ここで、小島屋こだわりのアーモンドを紹介させてください!
こちらの素焼きアーモンドは、カリフォルニア産の新鮮なアーモンドを使用しています。ひび割れしやすい無油焙煎を、焙煎歴60年の職人さんが手作業で行っているのが特徴です。品質にバラツキがなく、香ばしさと甘みが際立つナッツとなっていますよ。
また、アーモンドを含むナッツ類は脂質が多い分、酸化しやすいという特徴があります。抗酸化効果を得たいのに、酸化したナッツを食べていれば意味がありません。抗酸化効果を最大限発揮させるには、鮮度にこだわった商品を選ぶことが大切です。
小島屋は商品の全てを低温倉庫で保管しているので、鮮度を維持したままみなさんのご家庭やお店にお届けすることができるのです。
おすすめの食べ方
そのまま食べておつまみにするのが定番のアーモンドですが、それ以外の使い方も豊富なのがアーモンドの魅力です。今回は、おすすめのレシピを2つほど紹介します!
アーモンドチョコレート
お菓子作りにもよく使われるアーモンド。クッキーなどに入れるのは定番ですが、チョコレートと組み合わせるのはいかがでしょうか?こちらは、甘く炒めたアーモンドにチョコを絡ませて、オーブンで焼いた一品です。お子様にも喜ばれること間違いなし!そのうえ、チョコレート(特にハイカカオのもの)と組み合わせることで、カカオに含まれるポリフェノールの抗酸化作用との相乗効果が期待できます。
アーモンドペペロンチーノ
実はアーモンドは料理に使っても大活躍します。こちらは、ペペロンチーノとアーモンドはを組み合わせた一品です。アーモンドの食感と香ばしさがアクセントになり、美味しさが増しますよ。
ナッツを食べて美しく健康な身体を保とう!
抗酸化・抗糖化のしくみや、ナッツに含まれる健康&美容パワーたっぷりの成分について紹介してきました。みなさんも、健康や美容のためにナッツを取り入れてみてくださいね!
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よくある質問
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ナッツ 何が一番?
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1位はナッツの定番・アーモンド。断然トップの食物繊維とα-トコフェロールを含みます。α-トコフェロールには抗酸化作用があり、抗酸化・抗糖化のどちらにも嬉しいナッツです。また、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを維持する役割があり、脂質異常症の改善にも効果が期待できます。
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なぜナッツは太らない?
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ナッツには多くの種類のビタミンが含まれていますが、中でも注目すべきはビタミンB群とビタミンEです。特にビタミンB1・B6・B12は、炭水化物など摂取した栄養の代謝を促し、エネルギーを作り出すのに重要とされています。脂質などを効率よくエネルギーに変えられるので、脂肪を溜めにくくする効果があります。
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ナッツ ニキビ なぜ?
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「ナッツ=ニキビ」迷信の真相
ナッツに含まれる脂質は、不飽和脂肪酸という体に良い影響を与える油なので、ニキビの原因にはなりません。不飽和脂肪酸は、病気の予防をはじめ美肌にも効果があるとされており、むしろニキビを治して予防するために積極的に摂るべきものと言えるのです。