
最近ではスーパーやコンビニなどで、たんぱく質が豊富な事をアピールした商品やプロテイン商品などを良く見かけるように思います。
しかし、たんぱく質の何がどのように重要なのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
たんぱく質は筋トレやスポーツをしている方達だけがたくさん摂るものではなく、普通に生活している私たちもしっかり摂りたい重要な栄養素なんです。

わたし自身も産後に子育てや仕事に忙しくて、食事を整える時間がなく、栄養状態が良くなかった時、体力面でも気力の面でも弱ったように感じる時期がありました。
そこで、いろんな栄養に関する本を読んで、たんぱく質の重要性に改めて気づいた一人でもあります。
今では毎食欠かさずたんぱく質を摂るようにしています。そのおかげか体力も気力も20代の疲れていた頃より30代後半の今現在の方が疲れにくい気がしています。

皆さんも現在いまいち体調がすぐれない方はいらっしゃいませんか?
この記事では、たんぱく質の重要性を改めておさらいして、たんぱく質を普段の食生活に簡単に取り入れる方法、たんぱく質の適量、おすすめメニューなど、いろいろな面からご説明していきます。
たんぱく質不足を感じている方はぜひ参考にしてくださいね。
たんぱく質の重要性
たんぱく質の機能とは?

たんぱく質とは約20種類のアミノ酸が数十〜数百個以上結合したもので、炭素、水素、酸素、窒素を含みます。1gあたり4kcalのエネルギー源となるなど、体を構成する成分として重要であるとともに、エネルギー源としても重要な栄養素です。
たんぱく質は私たちの体の細胞、髪の毛、ホルモンや酵素、脳の神経伝達物質にいたるまで、さまざまなところで材料として大切な栄養素です。働きとしては成長促進、筋力向上、免疫システムの強化、肝機能向上、精神安定などの機能があります。

体の細胞や髪の毛などは良く耳にしますが、ホルモンや酵素、脳の神経伝達物質、免疫システムの強化などまで、たんぱく質が材料として使われているとは、私も勉強するまで知りませんでした。
しっかりたんぱく質を摂っておきたいなと改めて感じます。
たんぱく質不足や過剰でおこる症状

タンパク質不足が引き起こす症状:スタミナ不足、ウイルスなどへの抵抗力が落ちる、発育障害、貧血、血管壁が弱まる、記憶力・思考力の減退、うつ病や神経症になりやすいなどがあります。

タンパク質の過剰摂取症状:肥満、脂肪の摂取量が増える、カルシウムの尿排泄増加などをまねくなどがあります。

たんぱく質が多い食べ物は?

そもそも、たんぱく質が多い食べ物は何があるでしょうか?
以下にまとめてみました。
表に、よく食べられる食材の100g当たりのたんぱく質含有量を記載します。
動物性高たんぱく食品
肉類(鶏肉、牛肉、豚肉など)

種類 | たんぱく質含有量/100g当たり |
---|---|
鶏ささみ | 23.9g |
牛もも肉 | 20.5g |
豚かた肉 | 19.7g |
鶏もも肉 | 16.6g |
ロースハム | 18.6g |
ウインナー | 11.5g |
魚介類

種類 | たんぱく質含有量/100g当たり |
---|---|
鮭切り身 | 22.4g |
くろまぐろ 赤身生 | 26.4g |
まだこ生 | 16.4g |
くるまえび | 21.6g |
マイワシ | 19.2g |
マアジ皮付き | 19.7g |
卵

種類 | たんぱく質含有量/100g当たり |
---|---|
全卵生 | 12.2g |
卵黄生 | 13.8g |
卵白生 | 10.1g |
うずら卵全卵生 | 12.6g |
植物性高たんぱく質食品
豆類

種類 | たんぱく質含有量/100g当たり |
---|---|
木綿豆腐 | 7.0g |
納豆 | 16.5g |
黄大豆乾 | 33.8g |
黄大豆水煮 | 12.9g |
アーモンドやクルミ

種類 | たんぱく質含有量/100g当たり |
---|---|
アーモンド | 19.6g |
くるみ | 14.6g |
チアシード、キヌア

種類 | たんぱく質含有量/100g当たり |
---|---|
チアシード | 19.4g |
キヌア | 13.4g |
乳製品

種類 | たんぱく質含有量/100g当たり |
---|---|
ヨーグルト無糖 | 3.6g |
プロセスチーズ | 22.7g |
普通牛乳 | 3.3g |
その他…プロテインパウダーとしてホエイプロテイン(動物性)、ソイプロテイン(植物性)などがあります。

他にはスナックとして高たんぱくバーやサラダチキンなどが市販されています。
シリアルやパンも高たんぱく質な物が増加しているようです。

たんぱく質の効率的な摂取方法

たんぱく質を効率的に摂る方法という事で、説明させていただきたいのが必須アミノ酸やアミノ酸スコアです。食事を考えたり、メニューや食材を選ぶときに、これを頭の片隅においておくことで、たんぱく質の効率的な摂り方ができるかと思います。
必須アミノ酸

たんぱく質はアミノ酸を遺伝子の情報にもとづいて、1個ずつ順番に結合させて合成するので、どれか一つでも不足すると完全なたんぱく質ができません。
必須アミノ酸…たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内で合成されない9種類のアミノ酸のこと。名称はイソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンです。(アルギニンは子供にとっては必須アミノ酸です。)
非必須アミノ酸…体内で合成できるアミノ酸。
たんぱく質の合成には必須アミノ酸も非必須アミノ酸もどちらも必要です。
アミノ酸スコア(アミノ酸価)

アミノ酸スコアとは体のたんぱく質合成のために理想的な必須アミノ酸組成をアミノ酸評点パターン(必須アミノ酸必要量パターン)として設定し、それぞれの食品に含まれている必須アミノ酸量がその何%にあたるかを算出する方法です。評点パターンに満たない必須アミノ酸があると、十分に量がある必須アミノ酸が複数あったとしても、その最も少ない量のアミノ酸に見合う量でしかたんぱく質を合成できません。
一つでも100に達してない少ない必須アミノ酸があると、その100以下のアミノ酸スコアに合わせて利用され、他の100あるアミノ酸も利用されず無駄になってしまいます。

アミノ酸スコアは魚、肉、卵、豆類は100でマックスの値のものばかりですが、食パンや米、果物、うどんなどは、アミノ酸価が100に満たないものもあります。
(米、果物、うどんなども、アミノ酸以外の視点からみると重要な栄養素を含みます。またアミノ酸スコアが少ない食品でも他の食品と組み合わせる事でアミノ酸スコアを100にすることができます。)
そのため、摂取したたんぱく質を最大限活かすには、アミノ酸の組成のバランスがよくなるように食事を摂る事が重要です。
たんぱく質の補足効果

上記でも説明しましたが食品を上手に組み合わせることで、互いに不足している必須アミノ酸を補いあい、全体でその栄養価を高めることができます。
例えばリシンが不足している食パンにリシンを多く含む牛乳やチーズなどの乳製品を追加で食べることや、同じくリシンが不足しているご飯にリシンを多く含む納豆や豆腐を一緒に食べることで、全体のアミノ酸のバランスも良くなり、より栄養バランスがよくなります。
上記の事をいろいろと説明しましたが、なかなか詳しく考えて買い物やメニュー選びを行うことは難しいと思います。

そこで、わたしはできない日もありますが、なるべく毎食たんぱく質を食べる事と、たんぱく質はローテーションで食べる事を心がけています。
たんぱく質には動物性(肉・魚・卵)と植物性(大豆製品)が主になりますが、肉なら、鶏、豚、牛など、魚は青魚、白身魚、赤身魚、それに大豆製品、これらをローテーション、もしくは組み合わせて、いろいろな種類のたんぱく質と栄養素をまんべんなく摂取するようにしましょう。
作れない時はお惣菜や冷凍食品にもお世話になります。かまぼこやちくわ、魚肉ソーセージなども大切なたんぱく源です。プロテインを飲む事もあります。
完璧にできなくても、少しだけ意識してたんぱく質を適切な量摂り、ローテーションや組み合わせを考えることで自然と栄養バランスが整うかと思います。
たんぱく質の摂取量の目安
手ばかり

食事の目安量を知る上でわかりやすい「手ばかり」という方法があります。
たんぱく質はその人の片手のひら全体程度の量が目安になります。その量を毎食摂るように心がけましょう。
手首の付け根から指先までの全体の大きさと厚みを意識しましょう。
肉の場合はなるべく脂身が少ないものを選びましょう。
たんぱく質補給の1日の目安量

日本人の食事摂取基準によると、たんぱく質の推奨量は、15〜64歳男性の場合1日約65g、65歳以上は約60g、女性は18歳以上で一律約50gです。
※腎臓疾患がある方は制限が必要な 場合があります。摂取量につきましては、主治医にご確認ください。
たんぱく質摂取における注意点
腎臓への負担とたんぱく質

上記でも説明しましたが、腎臓病や糖尿病性腎症などがある場合は、1日のたんぱく質摂取量が制限されていることがあります。医師に相談して摂取するたんぱく質の量を調整しましょう。
おすすめの高たんぱく質簡単レシピ3選

こちらでは植物性たんぱく質、動物性たんぱく質それぞれの高タンパク質の食事レシピをまとめてみました。みなさんの参考になりますと幸いです。
鱈のムニエル・松の実ソース
香ばしさと食感が美味しい松の実ソースで鱈を頂くメニューです。
魚にはたんぱく質だけでなく、カルシウムの吸収促進や免疫機能の調整などにも有効と言われるビタミンDや血栓予防にも良いとされるIPA(イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)など摂ってほしい栄養素が豊富に含まれています。
鶏の酸っぱ煮
私もよく作るメニューです。卵も鶏も使ってあるので、たんぱく質たっぷりですね。
甘酸っぱくておいしい一品。彩りもきれいなので、多めに作ってお弁当のおかずにもおすすめです!子供もよく食べてくれます。
煎り黒豆ご飯
シンプルでほっこりとした美味しいお味です。
大豆は畑の肉と言われるように、たんぱく質を多く含みます。黒豆も大豆の1種なので、たんぱく質が豊富に含まれています。おにぎりなどにして、小腹がすいた時の間食にもおすすめです♪
そのまま煎り黒豆を食べてタンパク質補給に適したプロテインスナックとしても!
スナック感覚でそのまま黒豆をおやつやおつまみにしても香ばしくおいしいです。
高タンパク質の植物性食品のため、ベジタリアンの方にもおすすめです。
小島屋のたんぱく質豊富なナッツとチアシード
おやつや補食でタンパク質を摂る方法としていかがでしょうか?
たんぱくしっつ(たんぱく質ナッツ)

小島屋では、たんぱく質豊富なナッツを取り扱っています。
タンパク質補給に適したスナックです!
タンパク質たっぷりのミックスナッツ。間食おきかえナッツ たんぱくしっつ(タンパク質ナッツ)です。
植物性タンパク質食品です。
小腹が空いた時のおやつの代わり、忙しくてお昼を食べそこなった…そんな時におすすめです。
勿論 お菓子作りやサラダのトッピングなどに使って頂くのもおすすめです。
小島屋のたんぱく質豊富なチアシード

チアシードは、たんぱく質、ミネラル(カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛など)、ビタミンB、食物繊維、αリノレン酸などを豊富に含んでいます。 オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)含有量は自然界ではトップクラスとなっており、わずか大さじ1強で1日の推奨摂取量がクリアできるほどです。
フレーバーウォーターやヨーグルトのトッピングとしても!
さいごに
たんぱく質の重要性について今回はまとめさせていただきました。いかがでしたでしょうか。
たんぱく質は重要ですが、それだけに偏らず、さまざまな食材に大切な栄養が入っていますので、出来る限り、主食主菜副菜のバランスの整った適量の食事をおすすめします。
その上でしっかりとたんぱく質もしっかり摂れると良いと思います。
この記事がみなさんのお役に立てますと幸いです。
参考:カラーグラフ食品成分表2022 発行者 小田良次 発行所実教出版株式会社