第17回 アメ横小島屋 日本酒でイケるドライフルーツとナッツ 女子は知っている
この記事では小島屋が『大仙酒っこ倶楽部』に出演した放送回の内容を少しだけご紹介致します。
音声はこちらのページでご試聴ください。
日本酒の つまみを求め アメ横へ
みなさん、おばんでございます。
日本酒パーソナリティの菊池でございます。わたくし只今、東京のアメ横に来ております。
いつもは千北平野の真ん中で、秋田の大仙の美味い日本酒を叫んでいるはずのわたくしが、アメ横でこうやって叫んでいるのはなんでか?
というふうに申しますと何を隠しましょう、日本酒のつまみを探しに来たんでございます。
ナッツが好きだ!そんな菊池がやってきたのは!?
わたくしは大のナッツファン。
木の実のほうのナッツですね。こちらのファンでございます。
特にくるみには目が無いんでございまして、大仙市内のどこいら辺にくるみの樹が自生しているかというのを暗記しているほど、でございます。
そこで、本日お邪魔いたしますのは、大手の老舗の乾物屋さんでございます。
小島屋さんでございます。
アメ横は乾物屋のオアシスだった!
乾物屋さんであれば、大曲とか横手にもあると?左様でございます。
しかしここでは、店先に世界中から集まったあらゆるおつまみがごった返すアメ横でございますから、乾物がシルクロードを通るとすれば、ここはそのオアシス、そしてバザールなんでございますね。
日本酒に合うおつまみを掘り下げる!
ナッツ、ドライフルーツ、ありとあらゆるものが店先に並んでおりますけれども、日本酒にはいったい何が合うんだと、その辺を今日は掘り下げてみたいと思います。
小島屋インタビュー
こんにちは!小島屋です
菊池: 小島屋さんにお邪魔いたしました。
社長さんの小島靖久さんです。
今日は、どうもありがとうございます。
小島: とんでもないです。
こちらこそありがとうございます。
菊池: わたくし、(日本酒との)マリアージュを色々試してみたいなと思ったんですけれども、(小島屋さんのホームページでは)※お酒に関する組み合わせ表までお作りになって。
これを見て感動したのが、小島屋さんのホームページだったんですね。
なのでちょっと簡単に、小島屋さんの会社の場所と、扱ってらっしゃるものを教えて頂ければありがたいんですけど。
小島: うちは東京・上野のアメ横で、60年前に祖父が商売を始めまして。
今はもうナッツ・ドライフルーツの専門になってきまして、だいたいナッツが55種類くらい、フルーツが60種類くらいを取り揃えております。
うちの特徴は──僕の考え方に近いんですけど、食べ比べるというのがとっても好きなんですね。
同じものでも食べ比べて「あ、これが好き」「これの方がちょっと硬い」「これの方がちょっとパリッと感が少ない」とか、そういう細かい差を、それぞれの人が楽しんでもらえると、食べ物って興味が湧いてきますから。
うちだと、いちばん多い種類はあんずです。
菊池: ほぉぉぉ。
小島: 干しあんずだと、アメリカ産で4種類、トルコ産・南アフリカ産とか合わせると7、8種類になるんです。
あんずをこんなに取り揃えてるところはないと思いますけれども──
ちょっとずつ酸味とか甘さとか違うんで。
興味のある人は、一粒ずつ食べて「あぁ、違う」というのを楽しんでもらえればいいなと思います。
小島おススメの日本酒とのマリアージュ!
小島: (なぜ、日本酒とのマリアージュをやったのかは)ワインとのマリアージュ的なものは、みんな大体やったことがあるだろうと思ってたんでね。
僕が、ワイン以外の食べ比べをやろうと最初に思ったのは5、6年前でしたから。
5、6年前は、日本酒とのマリアージュをやろうって人が、周りでもほとんどいなかったので「だったらそういう食べ合わせ、やってみたら面白いんじゃない?」ていう興味本位で始めたっていうのがスタートですね。
菊池: なるほど。
その中で社長がお薦めになるものっていうのは、どういったもの?
小島: 僕は、(日本酒とのマリアージュは)どちらかというとフルーツなんですよね。
ドライフルーツの方がお薦め。
(お薦めは)デーツっていうナツメヤシがあるんですが──
その中のマジョールデーツっていうのが一番粒が大きくて、食感がねっとりしててやわらかいんですね。
菊池: いま社長にお渡し頂いた、小島屋さんオリジナル『※お酒とナッツ・ドライフルーツの相性一覧表』があるんですけど、その表の真ん中にマジョールデーツが載っています。
(デーツとは)黒くて、おばあちゃんから「これ、ひとつ、けっ」とか言われてよく渡されて、かじってみると、甘ぁい感じのフルーツですよね。
小島: そうですね。
それが甘みとコクがとっても強いんですね。
だからコクのある熟成酒タイプとマジョールデーツとを合わせる。
いわゆるコクとコクをぶつけるみたいな感じですね。
さらに、一般的なおつまみや珍味にはない、フルーティーな香りがデーツはありますから、その香りも重ねられる。
だから、ちょっとかじってちょっと呑んで──っていう、いわゆる日本酒に合う食べ方。
ちびっちびっ、とね。
菊池: そうですね~。
そして……あ、トルコいちじく!
熱燗ならトルコいちじく
小島: トルコいちじくは、デーツと同じく、やっぱり酸味と甘みと香りがあるんですけども、甘みが少なくなりますね、デーツに比べるとだいぶ。
で、酸味がもう少し上がります。
菊池: ふ~ん!
小島: あとトルコいちじくは、プチプチッとした種の食感が楽しめます。
なので、古酒までいっちゃうと古酒に負けちゃうんですよ。パンチが弱いんですよね。
だけど熱燗くらいの、ねっとり感というか、まったりする感じだと──
逆にデーツの場合は、デーツの甘さとガツンと来るのが強すぎちゃうんですけど──
トルコいちじくのフルーティな酸味が、ちょうどうまく(熱燗に)乗ってくるんです。
だから甘すぎなくて、酸味がちょうどあって、香りがもう少し強いトルコいちじくのほうが「あ、熱燗は合うんだな」とは思いました。
パンチがある古酒なら、パンチとパンチ
菊池: そして──
わたくし無二のくるみ好きでございまして、(『相性一覧表』を見ると)くるみは古酒タイプのところに分類されてますね。これ、くるみ黒糖と書いてありますね。
どんな感じになるんですか?
小島: くるみってコクがありますよね。
コクがある理由って油分なんですね、ナッツは。
くるみは(コクがあるから)油分が多い。ナッツの油分って砂糖と合うんですよ。
コクのあるくるみと黒糖を絡めたものなので、コクもあるし甘さもある。
で、くるみの香りも出る。
菊池: なるほどねぇ。
小島: これはいわゆる、マジョールデーツのナッツ側で。
ナッティなコクがあって、甘さと香りがあるもの──
パンチがあるものとパンチがあるものをぶつけた感じですね。
だからくるみ黒糖は、古酒も合いますね。泡盛とかが合うんですね。
こくのある冷酒。さっぱり感にはさっぱり感で
小島: あとはちょっとコクがある冷酒タイプのところに、ピスタチオって入れてるんですけど、ピスタチオって殻も剥かなきゃいけないですよ。
僕、冷酒呑むとだいたい呑みすぎるんです。熱燗の方がなぜかピッチが落ちて。冷酒だとなぜかススっと呑んでしまうので、だいたいピッチが上がりすぎるんです。
でもピスタチオって殻を剥くんで、ピッチが落ちるんですよ。
菊池: 殻剥きで調整しているという(笑)
小島: そうなんですよ、調整できるというのがまずひとつ。
あと、(ピスタチオは)あまり油分がないんです。
油分がなく香りがあるので、さっぱりしてコクがあるのがピスタチオですから、(冷酒と合わせると)さっぱり感とさっぱり感が合わさる、という感じですね。
菊池: 今日、品川の方で予定されてます『秋田の利き酒会』というのがあるんですよ。
そちらにいろんな飲食店の方がたくさんお集まりになる予定になっておりまして。
トライアルさせてみようと思っております。
楽しみに行きたいと思います。
小島: 合う合わないあると思うんで、合わないっていうのも含んで楽しんで頂けると一番うれしいですね。
菊池: あっ、いいですね~。
小島: 「これ、合わないよー!」っていうのも楽しいので、僕からすると。
菊池: 「これ無理だろー!」とか(笑)
小島: そういうのがけっこうおもしろいですね、やってると。
失敗例も楽しんでほしいな、と思いますね。
菊池: 社長、今日はほんとにありがとうございました。
小島: ありがとうございました。
利き酒会インタビュー「女子は知っている!」
この日の午後、品川で行われた秋田の酒利き酒会で、居酒屋さん・酒販店さんといったプロフェッショナルのみなさんに、ナッツやドライフルーツをつまみとして試してもらいました。
(女性3人にインタビュー)
ドライフルーツとナッツ。定番酒との相性は?
菊池: ドライフルーツとナッツを、定番酒で面白く呑めるのか?と思っております。
女性A: 大丈夫です。 私、いまナッツとドライフルーツで呑んでます。
菊池: ドライフルーツは何を?
女性A: ドライフルーツは、なつめっぽいのと、あとクランベリーで、もうやってますよ。
菊池: これなつめですよ。
これいちじくですね。トルコ産のいちじくです。
新しいマリアージュ 生もと(きもと)といちじく
女性B: 生もとに合いますよね。生もと系おいしい。
菊池: そうでしょ? 生もと系にやっぱり合うという……
いや、社長、小島社長、よかったですねー。
女性B: これいちじく?
菊池: いちじくです。
女性B: こういう乾き物が、日本酒に合うとお考えなんですか?(驚)
菊池: ええ。というのもですね、帰ってきたときにアレコレ作れって言われたって、めんどくさいしテレビ見たいし、乾き物だったら、これ一個で済んじゃうじゃないですか。
まぁ飯食えばの話ですけどね。
女性B: いやいやいや(笑)
こういうところから新しいマリアージュが生まれるかもしれない。
菊池: そうなんですよ!
酒粕漬けにドライフルーツ!?
女性C: (ドライフルーツは)酒粕で漬けると美味いよね。
菊池: そうらしいですよ!
女性C: ドライフルーツはなんでも合うよね。
ドライフルーツはみんな美味いの、酒粕漬けると。
私はチーズも漬けてやってるけど。
菊池: チーズはね。わかります。
結論! 甘いものは酒のつまみになる
最初が、ちよみどりさんの奥様。で、後のほうが東京の料亭の女将さんたち。
ドライフルーツおよびその酒粕漬けですか。これらを日本酒のつまみにするっていう時代なんですね。
その普及ぶりにはびっくりしたです。
この日集まったのはプロの方々とは言え、特に女子のみなさん、よくご存じでした。
甘いものは日本酒のつまみになるという新しい常識なんですね。
ちょっとおっかないような気もするんですけど、私も試してみたいと思います!